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「推し活」全盛時代に、つんく♂が思い描く未来 グループアイドルの形は進化していくはずだ

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 8時0分

では、ごくごく一部の天才以外、僕も含め99.999%のみんなはどうするべきなのか。

今や誰にでもチャンスがある

――だから「凡人」のための本になったのですね。

よく考えれば、人口のほとんどがこっち側にいるんです。であれば、こっち側のほうが大事なんじゃないか! 社会を支えているのはむしろ庶民側だ。そう考えるようになりました。

映画やテレビに出ることがスターの証だった昭和時代とは違い、今や誰にでもテレビに出るチャンスがあり、YouTubeやTikTokなどのSNSも隆盛を極めている。世の中で自分を表現する場所はいくらでもあります。昔とは違い、類稀なる才能がなくとも、ちょっとしたきっかけをつかめば人気者になれる。

自分の目標をしっかり持って、本当に何をしたいのか、何が好きなのかを明確にしておくことが大切です。そうして、99.999%の中から這い上がる。「天才側の0.001%の中に入りなさい!」ということではない。

……と思うと、ずいぶん気が楽じゃないですか?

「やりたい!」という夢とちょっとしたコツ

――確かに、そのほうが現実的に考えられます。つんく♂さんがプロデュースした中で、99.999%側からの具体的な成功例としてはどんな人がいますか?

かつてプロデュースしてきたアーティストでいうと、安倍なつみや後藤真希、松浦亜弥。彼女たちは、学校のクラスでは可愛くて個性的な子の位置にいたと思うけど、0.001%の側ではなかった。99.999%の側にいた子たちだと思います。

――到底、自分と同じ側の人には思えません……。

多くの人が見るのは「売れた後」の姿だからです。でも実際に、当時の彼女たちは不景気な時代の中で切磋琢磨し、ちょっとしたコツをつかみ、それが自分の「やりたい!」「目立ちたい!」という夢と折り重なって、一気に人気者と言われるようになったんです。僕が培ってきたノウハウをちょっと注入して背中を押してあげることで、スターになっていった。

今、当時と同じようにやって同じ結果が出るとは思いません。一方、今の時代には今の時代特有の「隙間」があって、ちょっとしたコツと、何かの「プレス」によって、一気にこの時代のスターになれるんじゃないか。僕はそう思います。

問題は一気に人気者の階段を駆け上がったとして、そのあと、どうしたいか。

――成功後のキャリアをどのようにしていくか、ですね。

一度人気者になっただけで満足する人もいるでしょう。もっともっとと、さらに上を目指したくなる人もいるでしょう。時には勘違いして、態度だけ大きくなり中身がついていかない人もいるでしょう。違う方向に進み、文化的な取り組みや社会貢献をしたくなる人もいるでしょう。続けたくとも病気や事故で続けられなくなることもあるでしょう。

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