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「推し活」全盛時代に、つんく♂が思い描く未来 グループアイドルの形は進化していくはずだ

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 8時0分

僕も病気をしてしまった側の人間です。当たり前に過ごせていた頃が本当は当たり前でなく、本当にありがたかったんだな、と日々思います。

99.999%側の人間として思うのは、本当に好きなこと、やりたいことがある人は惜しまずチャレンジし、自分が納得するまで続けるのが大事だということ。これ以上の贅沢はないし、これこそが本当の生きがいになるのではないか。誰かに褒めてもらうためでなく、自分のために生きてほしいと思います。

「列ができる前に並んじゃってる」子どもの現在

――病気に関しては、つんく♂さんは喉頭がんとの闘いの記録として『だから、生きる。』を2015年に出版されています。闘病生活や家族との関係性、ハワイへの移住など、私生活が仕事のやり方・仕事論に影響したことはありますか。

僕は「(流行りの)列に並ぶなよ」「ホリエモンみたいな天才の真似をしてもうまくはいかないよ」とサロンのメンバーにはよく話しています。が、かくいう僕も、何かと流行りや時代の流れが気になってしまうタイプ。

今は何が流行っているんだろう、なんであの本が売れているんだろうとか。僕はそういうことに鼻が効くタイプだったので、幼少の頃から「列ができる前に並んじゃってる」子どもでした。流行や旬の話題をいち早く察知して、何がどう騒がれてるのか、何がどう時代にハマってるのかを分析するのが好きでした。

そうした積み重ねによって、今のプロデューサーという仕事にたどり着いたんだと思います。20代後半にプロデュース業を始めて、15年くらいあっという間でしたね。

休息の時間もなく、気がついたら体を壊していた。

いったん、クールダウンしなきゃヤバいなと思ったのも、ハワイに行った理由として大きいです。大きな病気をしたし、何かにのめり込みすぎるのがよくないとはわかった。あのまま日本にいたら、僕はやっぱりまた根を詰めるだろうし、休むことを忘れて戦い続けてしまうと思う。

日本を客観的に見られるようになった

――仕事の仕方を意識的に変えられたのですね。『だから、生きる。』では、体を大切にすることがいかに重要かが強調されています。

それは本当にそうです。でも人間なんてだいたい自分に甘いから、そんなにうまくはいかない。コンビニに行ったらおいしいものがどっさり売ってるし。

ただ、ハワイに移って環境が変わってから、ある部分では冷静になったかな。ハワイって基本的に田舎の島なので、不便なんですよね。だからいいのかもしれない。そしてその分、日本を客観的に見られるようになった。

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