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「推し活」全盛時代に、つんく♂が思い描く未来 グループアイドルの形は進化していくはずだ

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 8時0分

――どういう意味でのプライドでしょうか?

ピンク・レディーにしてもキャンディーズにしても、グループサウンズの頂点を極めたザ・タイガースやザ・スパイダースにしてもそう。その後のバンドブームでも、日本の音楽界のために皆が一丸となって戦っていたように思えます。一糸乱れぬ感じで、足並み揃えて。

K-POPも、そもそもの気持ちは日本のアイドル界、音楽界と同じだったかもしれません。ただ、韓国内のパイは日本より小さい。そのため、より早く世界に向けて発信するようになったとも言われる。

さらに感性の面でも、時代に対してより敏感だったのではないか。ピリっとした強い刺激がいい感じで、大陸続きのアジア勢に素早く響き、広がっていったように思います。

ソロのアーティストが強い日本の現状

――グループ活動が成立しやすい点では同じでも、日本と韓国とでは少し異なる歴史を辿ってきたと。日本のアイドルグループの今後をどのように考えますか。

日本では、今はソロのアーティストが強いですね。バンドのボーカルを含めて、多人数のボーカルグループより、単独で活動する歌手の歌のほうが聴きやすいとされる時代かもしれません。

とはいえ、日本もまだまだグループでの表現の形が進化していくはずなので、3〜4年後が楽しみな状況です。今は、まさに転換期なのだと思います。日本国内だけをパイと考えると、「しのぎ」も小規模になる。

だから、日本国内で成功してから海外進出というよりは、最初から世界に打って出ても通用するグループを生み出すことが肝要です。そんなグループをいち早く世に送り出したチームが、次の時代を作っていくように思います。

――『凡人が天才に勝つ方法』には、令和になって時代が変わってきたと書かれています。芸能、エンタメの世界にも変化がありましたか。

コロナ前と今とでは全然違う。音楽の世界も変わりました。

とくにアイドルの世界では、コロナ前は音楽を作りCDを買ってもらうために握手会や撮影会のようなイベントが日々行われていた。それらが一斉に止まったことは、日本の音楽業界全体に大きな影響を与えた。CDの売上枚数が見えなくなったんです。

維持できなくなったアイドル事務所やアイドルグループも多いです。いつの間にか解散していたり。以前はCDを買って握手会やチェキ会(インスタントカメラを用いた撮影会)に参加することが生活のルーティーンだったアイドルファンの人にとっても、そのルーティーンのすべてが止まった。

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