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「非大卒家庭から東大総長賞」1浪した彼女の奮闘 設立団体が受賞、地方女子の進学を支援する

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 7時20分

「高2のときまでは 英数国で模試の判定が出るのですが、高3になって数Ⅲと物理・化学が入ってきた瞬間に、がくっと判定が下がってしまいました。結局、センター試験も750/900点に終わりました。当時通っていた東進でリサーチしたところ、去年私と同じくらいのセンターの点数で東大に受かった人が2人くらいしかいなくて。

この時点である程度、受からないことを察しました。本番で点数が上振れたら、もしかしたらいけるかもしれないと思いましたが、苦手だった数Ⅲが全然解けなくて、絶対に受からないと確信し、ホテルで泣いてしまいました。泣くほど努力してないくせに、悔しさはあったんです」

結局、この年は合格最低点から20点ほど足りず、不合格になってしまいました。

この年の受験で落ちてしまった理由を、彼女は「危機感がなかったため」だと考えます。

「私は誘惑に負けやすいタイプでした。実家に自分の部屋がないので、家族の話し声が聞こえたら話に入ったり、弟の弾くピアノを教えに行ったり。母親がドラマを見てたら一緒に見てしまっていました。なまけてしまったんです。

予備校でも友達と話すのが楽しくなって、休憩時間を10分にするはずが30分になってしまったり、帰り道にスタバに寄り道したりとか……。100%本気で打ち込めていないという気持ちがあって、その状態でE判定が出てしまうのはしょうがないと、心のどこかで思っていました」

しかし、現役のときのこの悔しい経験で、「生半可な努力じゃ受かるところじゃないんだと実感した」と語る彼女は、妥協したくなかったために浪人を決意します。1浪で東大の合格を掴むにあたって、彼女は大きな決断をしました。東大の理系から、文系に志望校を変更する「文転」をしたのです。

「自分の適性を考えたときに、苦手だった数Ⅲを諦めて、社会科目と理科基礎で受けるほうが、東大合格の可能性が上がると思いました。文科Ⅱ類に受かれば、経済学部にも入りやすくなりますし。また、新しいことを学ぶほうが、1年間飽きずに学べると思ったのもありますね」

予備校で入ったクラスは女子1人

こうして彼女は駿台浜松校の東大文系クラスに入りますが、そこで驚いたことがあったようです。

「東大の文系クラスは5人しかいなかったのですが、女子は私だけでした。地方だと、浪人してまで大学を目指さない、というのはあるのだろうなと感じました」

こうした環境の中で気を引き締めた彼女は、現役のときよりも勉強時間を増やす工夫をします。

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