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GW盛況の異色フェス「板橋の高校生が企画」のなぜ 外国人の力をテコにした地域おこしのヒントを探る

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 12時40分

盛況だった「ネパールのバザールで文化が混ざ~る」(以下、写真はすべて筆者撮影)

4月28日。ゴールデンウィーク最初の週末を迎えた東京・板橋区の平和公園(最寄り駅は東武東上線上板橋駅)は、大勢のネパール人で賑わった。

【写真で見る】多くの人が集まった「ネパールのバザールで文化が混ざ~る」。人気だったのはネパールの国民食「水餃子モモ」

ネパールの民族衣装を来た人々が伝統的なダンスを踊り、ネパール料理のブースからスパイスの香りが漂ってもくるが、一方で和太鼓が響き渡り、射的や綿あめのブースも並んでいて、日本人の来客も多く、なかなかのごちゃ感だ。

それもそのはず、イベントの名は「ネパールのバザールで文化が混ざ~る」。板橋区に住む日本人と、ネパール人の交流を目的にしたフェスだ。

当初想定した5000人をはるかに上回る推定1万5000人前後が2日間で来場。ここまでこぎつけるには日本側・ネパール側、双方の苦労があった。

文化の違う人々が1つのフェスをどうやってつくっていくのか。その裏側に密着するうちに見えてきたのは、本当の意味での交流の探り方と、外国人のパワーをテコにした地域おこしのヒントだった。

きっかけを作ったのは地元の高校生

フェスのきっかけをつくったのは、高校生なのである。地元板橋の城北高校3年生、鈴木拓哉さんだ。

「小学生のころ、父の仕事で上海に住んでいたんですね。インターナショナルスクールで学んでいました。でも、帰国して公立の学校に通うようになると、日本との文化の違いというか、すごくつらい時期があったんです」

そんなきっかけから、鈴木さんは文化の異なる人たちがどう付き合っていけばいいのか考えるようになった。地域の日本語教室を手伝ったり、外国人の多い自治体の取り組みを調べたりしながら、より実践的な場を作ってみたいと思い続けていた。

そのころ、上板橋北口商店街にも加盟しているネパール&インド料理店「スルエシー」を営むケーシー・カルキ・ゲヘンドラさんも考えていた。

「上板橋に住んで、もう16年です。下町で緑も多くて、子育てしやすいところですよ」

そんな街で日本人の妻と店を切り盛りし、子どもは日本の学校に通わせ、一家で暮らしてきたが、昔はわずかだった外国人が増えてきたと感じる。同胞のネパール人も多い。それなら、もっとお互いの交流が進むようなイベントができたら家族のためにもいいなと考え、ケーシーさんは商店街に話を持ちかけてみたのだ。

受け取ったのは商店街の理事も務める板橋区議の間中りんぺいさん。そこへSNSを通じて鈴木さんからのDMも届く。それなら、と間中さんは両者をつなげてみたのだ。

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