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部下の90%が動く、今日からできる「話し方改革」 部下のタイプに合った従いやすい指示の出し方

東洋経済オンライン / 2024年5月8日 7時50分

次にエリート自燃人へは、上司以上に洞察力があるため、指示の意図をしっかりと説明し、「どう思う?」と相談形式で接する。彼らの返答は戦略を練る上での貴重な手がかりになる。誤った仮説を設定していた場合、優しく正しい方向へ導いてくれるだろう。

ジャスティス不燃人に対しては、最も準備が必要だ。指示の妥当性を、裁判官に説明するように、事実とデータをもって彼らを説得する。彼らが納得すれば、その指示が妥当であるという「お墨付き」を得たと同義である。

重要な「可燃人」対策

「話し方改革」の後半戦では、事前の根回しを終えた上で、組織メンバー全体に向けた告知が中心となる。このとき、ジャスティス不燃人に納得してもらった鉄壁の論理で話を進め、熱意も込めることが重要だ。クセのある自燃人には目配せをして、彼らの協力を引き出す。

「課長の言うとおりですね。やりましょう!」

といった反応が得られる可能性がある。ピュア自燃人はこの時初めて情報を得るが、彼らは単純で受け入れが早い。

「そうですか。わかりました!」

とすぐに答えるだろう。このグループには特別な準備は必要ない。多くの組織メンバーは「可燃人」に分類され、変化に対しては自然と抵抗する傾向にある。彼らは周囲の反応を見て自らの態度を決める。

「マジか……」

という反応が典型的だ。特にエリート自燃人の反応を注視する。彼らが納得しているように見えれば、「可燃人」も外堀が埋まったと感じるだろう。

そこで「1on1ミーティング」を実施し、個別に意見交換を行う。これにより、集団の中で意見が左右されることなく、各個人の真意を引き出せる。事前の根回しが十分であれば、「1on1」での対話はスムーズに進む。

「わかりました。やりますよ」

という合意が得られるはずだ。この段階でアーリー可燃人が承諾すれば、組織の過半数が新しい方向に向かうことになる。レイト可燃人へは、

「Jさんも、Eさんも先週から新規開拓に取り組んでいます。そろそろ始めましょう」

と動機づける。組織の大部分を占める「可燃人」は重要な対象であるため、共感を持ってコミュニケーションを取ることが必要だ。彼らからの反論には、

「大変なのは分かっています。でも話を聞かせてください」

と穏やかに応じ、理解を示すことが大切だ。こうして段階を踏んで対話を重ねることで、レイト可燃人も徐々に態度を変えていく。

最終的には、全員が同じ方向を向いた時、残る課題はこじらせ不燃人だけとなる。彼らには第三者を交えて対話を続けるなど、柔軟なアプローチが求められる。他の組織でなら力を発揮するかもしれないので、いろいろな関係者と協力しながら本人と話し合うしか道はないだろう。

組織の空気づくりも含めた「話し方改革」

どのようにして人を動かすのか? 行動を変えてくれるのか? 部下を「その気」にさせる話し方を「話し方改革」と名付けた。

「話す技術」を鍛えるだけで一個人を動かすことは現実的には難しい。だから組織の空気をうまく活用しつつ、タイプごとに話す順番、話し方を変えることが重要だ。

こうすることで、スムーズにストレスなく人を動かすことができるようになる。お客様を「その気」にさせるときにも活用できる。ぜひ「話し方改革」を試してもらいたい。

横山 信弘:経営コラムニスト

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