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プロ野球「観客動員」過去最高になるかもしれない コロナから回復、動員率が9割を超える球団も

東洋経済オンライン / 2024年5月12日 12時30分

甲子園球場(写真:筆者撮影)

プロ野球の観客動員が好調である。コロナ禍の3年もの間、観客動員は制限され応援も禁止されて、不自由な思いをしてきたファンの反動という部分があったと思われる。またコロナ禍の間にネットなどでプロ野球を知った新たなファンの動員もあったようだ。

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ゴールデンウィーク明けの5月7日の時点で、プロ野球全体の1試合当たりの平均観客動員数は3万610人。昨年が2万9219人だから4.8%の増加。セ・リーグは3万3954人、昨年が3万2913人だから3.2%増、パ・リーグは2万7266人、昨年2万5525人だから6.8%増。特にパ・リーグの増加が著しい。

過去最多はコロナ直前の2019年で、プロ野球全体で3万928人、セは3万4655人、パは2万7202人だった。パはすでに2019年を上回っているが、プロ野球は梅雨の時期を過ぎて夏休みに入ると例年増加するから、このままいけばNPB全体でも過去最多の動員になる可能性もある。

「観客動員」のビジネス的な意味

プロ野球の「観客動員」とは、ビジネス的に見てどういう意味があるのだろうか?

1つは当然ながら「入場料収入」だ。プロ野球興行の基本であり、観客がたくさん入ってこそ興行は成り立つ。

近年目立つのは入場料金の「ダイナミックプライシング」の動きだ。これまでは、公式戦の料金は席種ごとに一律だった。

しかし最近は、人気カードや土日祝日などは価格を高く設定するなど、入場料金を柔軟に設定するのが一般的になっている。コロナ禍以降、特に顕著なので、観客動員増も相まって入場料収入は増加しているだろう。

もう1つ、観客動員が増加すると、場内の物販や飲食などの売り上げもアップする。今や多くの球場で場内の物販、飲食ビジネスも球団が仕切っているから、これによる売り上げ増も非常に大きい。

さらに見逃せないのが「スポンサー」だ。今の球場にはさまざまな企業が看板を掲示している。また試合中にも多くのスポットCMが流れるが、これらもほとんどの球場で「球団仕切り」になっている。スポンサーは年間契約だが、これに加え試合ごとに「冠スポンサー」がつくことも多い。

スポンサーにとって、重要なのは「球場にたくさん観客が来るか」だ。多くの観客が来て、スポンサー企業の看板を目にしてくれれば、スポンサードした意味があるわけだ。

スポンサー収入が大きな収益の柱に

かつて、プロ野球の最大の収入源は「テレビの放映権」だった。高い視聴率を稼いだ巨人戦の放映権で、プロ野球は回っていた。しかし今や、プロ野球にとってスポンサー収入は入場料収入と並ぶ収益の柱になっている。

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