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「待遇に満足な社員」が会社を辞めてしまう真因 なぜ互いに「相思相愛」の関係が築けないのか

東洋経済オンライン / 2024年5月13日 8時30分

企業への「エンゲージメント」を高めることが離職の防止にもつながる(写真:ワタコ/PIXTA)

人材に投資することで企業価値を高める人的資本経営が注目されており、エンゲージメントは人的資本経営において重要な指標の1つとされています。今や転職が当たり前の時代になっており、企業は従業員や求職者から選ばれるためにも、エンゲージメントを高めることは大切です。しかし、エンゲージメントは近年よく聞かれるようになった言葉であり、誤った認識を持っている方も少なくありません。

本稿では、エンゲージメントにまつわる誤解を解消し、その向上のポイントを紹介します。『企業実務』の記事を再構成し、組織人事コンサルタントである、リンクアンドモチベーションの田中允樹さんが解説します。

「エンゲージメント」と「従業員満足度」の違い

そもそも、エンゲージメント(Engagement)は「婚約」等を意味する言葉ですが、人事・経営の文脈では、従業員の企業に対する「愛着心」や「愛社精神」を意味します。リンクアンドモチベーションでは、エンゲージメントを「企業と従業員の相互理解・相思相愛度合い」と定義しています。

【図】会社へのエンゲージメントを把握するための調査

エンゲージメントは、従業員満足度とは異なる概念です。

従業員満足度とは、文字どおり「従業員の企業に対する満足度合い」です。例えば福利厚生や働きやすい環境づくりなど、企業が従業員に何かを提供し、それに対して従業員がどの程度満足しているのかを示す指標とも言えます。

これに対してエンゲージメントは、企業と従業員が共に成長しながら同じ目的に向かっていく「関係性」がベースになった概念です。

従業員満足度が高い場合、従業員は企業にメリットを感じている一方、必ずしも企業に対して貢献意欲があるとは限りません。今の会社より条件が良いなど、メリットが大きい会社があれば、転職する可能性もあります。

それに対して、エンゲージメントが高い場合、従業員は「この企業だからこそ働いている」「この企業をもっと良くしていきたい」というような企業に対する愛着や貢献意欲を持っています。

エンゲージメントの向上を阻む3つの誤解

自社のエンゲージメントを把握するためには、「エンゲージメントサーベイ」などと呼ばれるアンケート調査を行なうことが一般的です。

しかし、ただ調査して終わりでは意味がありません。調査後に、「See(現状分析)」→「Plan(施策立案)」→「Do(施策実行)」という3ステップでエンゲージメントの向上を図っていくことが重要です。この各ステップで生まれる誤解について解説します。

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