「ドローン急襲」想定しない日本のヤバい防衛体制 「いずも」上空から撮影ができてしまう事情
東洋経済オンライン / 2024年5月15日 11時0分
他国の海軍では機銃と中口径機関砲を搭載したRWSを併用するケースも少なくない。中口径機関砲はより射程距離が長く、また電子信管を採用していれば目標付近で爆発させて破片を拡散させることによって、命中しなくても目標を無力化できる。またRWSだけではなく、発射速度の高いガトリングガンを含めた、12.7ミリ、7.62ミリ機銃などを複数搭載して死角をなくす努力をしている。
5年間で従来の約2倍の防衛費を使うことになるが…
自衛隊は諸外国よりも火力により攻撃を躊躇う傾向が強い。そうであれば近接戦闘の相手の射撃を困難にする音響兵器やストロボ機能がついたサーチライトなどのノンリーサルウエポンの搭載も検討すべきだったのではないだろうか。一定間隔で点滅するサーチライトは操縦者や射手の照準を妨害するだけでなく、音響兵器同様に三半規管を刺激して気分を悪くさせる効果もある。
これは大戦中にスイス軍がドイツ空軍の急降下爆撃機に対する対策として開発された技術で、歩兵用のタクティカルライトにも多く採用されている。イスラエルでは暴徒鎮圧用のノンリーサル型RWSにこれらの技術が採用搭載されている。
また電波の周波数帯の問題が解決する見込みが当分ないならば英国のスカイウォール社などのドローンをネットで捕獲するグレネードを発射するランチャーのシステムなど物理的な方法で捕獲、撃墜する手段もあり、これらを導入を検討するべきだろう。
政府はオーストラリアの次期水上艦艇にもがみ級をベースにした新型艦を提案するとされているが、現代の水上戦闘艦に不可欠な近接防御を無視してRWSすらマトモに使えない「海軍」の設計思想や実力を疑われるのではないだろうか。
わが国はこの5年間で従来の約2倍の防衛費を使うことになっている。だが果たしてそれが有効に使われているのだろうか。少々の費用や本来必要な手間を省いて、高価な護衛艦隊が停泊地で全滅するようでは防衛費の有用な使い方とはいえないだろう。
清谷 信一:軍事ジャーナリスト
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
えっ、初なの!? 海上自衛隊が前例なしの多国間訓練を実施 就役まもない新鋭艦も
乗りものニュース / 2024年7月5日 17時12分
-
海自の自衛艦隊が70年 横須賀基地停泊の護衛艦「いずも」で式典 「同盟国とともに平和寄与」
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月1日 21時50分
-
海自自衛艦隊が創設70周年 護衛艦「いずも」で式典
毎日新聞 / 2024年7月1日 19時21分
-
自衛隊の発足から70周年 木原防衛大臣「役割はより一層重く」 海自は「いずも」で記念式典
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月1日 16時47分
-
海自の巨艦「いずも」と最新イージス艦「はぐろ」が長旅に出発!インド太平洋に展開へ 各国と共同訓練も
乗りものニュース / 2024年6月6日 8時42分
ランキング
-
1NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
-
2U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分
-
3【那須2遺体】長女・宝島真奈美容疑者が遺体発見翌日に応じたTVインタビューで見せた“違和感”について臨床心理士が分析
NEWSポストセブン / 2024年7月5日 7時15分
-
4プーチンの本当の狙いはウクライナの領土ではない…小泉悠「ロシアの軍需工場を狙わないと最悪の結末になる」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 9時15分
-
5【速報】東京・大田区で住宅火災 100平方メートル延焼中 消防車など41台が出動し 消火活動
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月5日 11時17分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)