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BMW、ハーレー、トライアンフ輸入バイクの現在地 350ccから2500ccまで注目モデル一気乗り

東洋経済オンライン / 2024年5月16日 12時0分

続いてX500。単なる排気量違いかと思ったらライディングポジションがまったく異なる。ハンドルは若干高めで近く、ステップは前方低めに配置されているからゆったり乗れる。シートは厚めでシート高はX350の777mm→820mmへと高められ、タンク形状(13.1L)もX500専用に。大型二輪初心者にとって馴染みやすい車体構成だが、年齢を重ねたベテランライダーのダウンサイジングモデルとしてもピッタリに思えた。

主要スペックはX350の約37PS/31N・m、車両重量195kgに対して、X500は約48PS/46N・mで208kgと、パワーとトルクは30~40%増しだが車両重量はわずか13kgの違いに過ぎない。ギア比は排気量なりにX500が小さいが、それでも各ギア段での加速力はX500が力強い。

タイヤサイズは銘柄含めて2車共通。ただ、乾いた排気音はX350が数段上。しかも低いギア段で高回転域まで引っ張ったとしても法定速度だから安心感も高い。価格はX350が69万9800円、X500が83万9800円。

トライアンフ「Rocket 3 Storm R」

最後はトライアンフのRocket 3 Storm R。見た目から受けた第一印象は“ほぼエンジンのようなバイク”。直線での速さを競うドラッグレーサースタイルの過激な1台だ。搭載するのは直列3気筒2458ccエンジンで182PS/225N・m、車両重量は317kgを誇る。

筆者は前身であるRocket Ⅲ(2004年)にも試乗していたが、こちらは同じ直列3気筒ながら排気量は若干小さく2294ccで142PS/200N・m。ただ、最新のRocket 3 Storm Rは過去のRocket Ⅲよりもあらゆるスペックが上まわっているのに、荒々しさはRocket Ⅲが際立っていた。スロットルを開ければドーンと加速、リーンさせるにもしっかりとしたニーグリップがないとフラついてしまう。

その点、Rocket 3 Storm Rはクセが少ない。パワー&トルクともに力強いのに電子制御スロットルと、緻密なトラクションコントロール制御のおかげで極めてスムースだし、大容量の油圧クラッチもそれほど重くない。大型バイクに乗っているライダーならすんなり乗りこなせそうな印象だ。

もっともこれは印象だけ。実際はものすごいマシンだった。スムースに加速しているなと感じたのは先の電子デバイスのおかげで、JAIA二輪試乗会のために持ち込まれた新車のRocket 3 Storm Rは、筆者が試乗した2日目最終枠の時点で、四輪のスポーツモデルが履くほど太い後輪タイヤ(240/50 R16 V)には早くも摩耗の兆候が見られた。もっとも4000回転で発する最大トルク225N・mを後一輪だけで受け止めるのだから無理もない。

BMW、ハーレーダビッドソン、そしてトライアンフと多彩な輸入二輪車に乗り、四輪車以上にお国柄が表現され、ブランド哲学が貫かれているなと感じた。筆者は、16歳から二輪車に乗り続けているが、今回の試乗を通じ改めて安全に1日でもライダーを続けるためには体力維持が大切なのだと痛感。ヘルメットの顎紐をしっかり結んで、短距離であっても胸部プロテクターを装着し、これからもライディングを楽しんでいきたい。

西村 直人:交通コメンテーター

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