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JR東「インドネシア鉄道支援」で得た意外な教訓 「内向き姿勢」からの脱却、車両メンテの重要性

東洋経済オンライン / 2024年5月17日 6時30分

INKAが日本の車両部品メーカーから部品を買われているという部分はある。一方で、今の新車に対してJ-TRECがどう協力しているか、どうビビッドに反映しているかというとちょっと語弊があるかなと思う。今INKAが造っている仕様にいろいろ落とし込んでいければいいと思うが、時間軸的にあり得ないタイミングだなとは思っている。

車両は造るまでに仕様を固めて事業者とこれでいいか、あれでいいかとやり取りしていったうえで初めて部品発注して、実際に製造していくという流れになっている。1年後に入れるといった話なら、たぶんそこは間に合わないだろう。

205系はいつまで走れるか

――一方で、チョッパ制御車両を中心とした既存車両の更新(レトロフィット)は中止になる可能性が出てきました。また、205系も直流モーターの車両はあと数年で部品がなくなってくるのではないでしょうか。

確かにそうだ。ただ、部品がなくなるといっても添加励磁制御(直流モーターの205系が採用している制御方式)の車というのは、部品がなくなるといっても半導体みたいなものではなく、どちらかというと鋳物系だろう。例えば、直流モーターは今の日本ではほぼ造っていないと思うが、そのモーターの枠などは鋳物だ。造ろうと思えば造れるが、今さら機器更新するのに直流モーターでやりますかという話になる。それなら交流モーター・VVVF制御化というのが、メンテナンスのライフサイクルコスト的にも品質の面でもいいのかなと感じる。

――つまり、もしかしたら今後205系も更新する可能性はある?

インドネシア政府が新車導入の方針となってきて、そういったレトロフィットといったところに目を向けてもらえないかもしれないが。

――しかし、INKAが国産新車を製造するといっても車両は常に足りていません。今後は(ジャワ島中部の都市)ジョグジャカルタの電化区間も延び、(ジャワ島北部に位置するインドネシア第2の都市)スラバヤの電化工事も今年度以降始まります。状態がいい205系は足回りさえ変えればまだ何十年と使えるので、レトロフィットの可能性はあると個人的には見ています。

当然、205系が動き続けてくれるというのはわれわれの当初からの思いとしてあるし、日本国内でもまだまだ205系は走っているので、十分品質を保てる車だと自負している。その方向性が出てくるのならば、そこは協力したい。

やる気や情熱、学ぶべきは日本人

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