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「爆破予告者」の犯人像と日常生活における注意点 いたずらでは終わらず甚大被害を及ぼすケースも

東洋経済オンライン / 2024年5月18日 11時20分

爆破予告と不審物が確認され、一時騒然となった那覇市役所=7日(写真:時事)

今月6日、全国で犯行予告が相次いだ。

【表を見る】爆破予告犯の動機とは?

那覇市では、那覇市文化振興課宛に、「午後1時34分に施設を爆破する。たくさんの人間が死にます」という内容のメールが届き、7日昼すぎに那覇市役所で誰の物かわからないスーツケースが見つかり、市役所にいた人を避難させた騒ぎがあった。スーツケースは来庁者の忘れ物と判明したが、爆破予告は悪質ないたずらとみて警察が捜査を行っている。

また、同日、新潟県上越市本城町の高田城址公園オーレンプラザなど2カ所に「施設を爆破する」旨のメールが届いた。爆破予告時刻は7日午後1時34分で、前述の那覇市の事件との関連も指摘され、同様のメールはさいたま市にも届いたほか、南相馬市などにも届いている。

これら爆破予告は、施設利用者等の避難を強いるほか、市民に多大な不安を与え、各施設や警察業務を著しく阻害する極めて劣悪な犯罪で、犯行態様によっては威力業務妨害罪や偽計業務妨害罪、脅迫罪等の犯罪の構成要件を満たす。

過去には、サンリオピューロランドにテロ予告メールが届き、臨時休館となったほか、ディズニーリゾートや周辺施設に対する爆破予告のメールが届き、警察が不審物有無の確認対応に追われるなど、爆破予告の影響は極めて大きい。

過去最悪の被害をもたらした「恒心教」事件

2023年8月には、過去最悪の被害を出した事件が摘発された。全国の学校や自治体、企業などに爆破や殺害を予告するファクス30万件以上が送信され、20代の男2人が威力業務妨害の疑いで検挙されたのだが、男らは、ネット経由でファクスを大量送信するサービスを使用、この際に匿名化ツール「Tor」を経由してアクセスしていた。

この匿名化ツールなど、幾重にも偽装を行う手法が捜査を困難にしている実情があるが、本件は警察の緻密な捜査により検挙に至った。

男らは、動機として、「アピールしたかった」「大ごとになるのが面白かった」などと供述しているほか、特定のネット掲示板で弁護士らへの中傷を繰り返す「恒心教」を広めたかったという。

男らが行った爆破予告事件は、いわゆる「恒心教」の“ノリ”で犯行を行い、本気で爆破させる意図はなかったと推察されるが、犯行前後に掲示板に書き込みを行うなど一定の自己顕示欲も見られる。(それも含めて彼らにとっては“ノリ”であると推察される)

爆破予告者の動機と犯人像

爆破予告を行う者の動機はどこにあるのだろうか。近年の爆破予告事件の動機は、いたずら目的、自己顕示欲、憂さ晴らしといったものがほとんどだ。

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