商社勤務でも苦しい…23区「億ション」だらけの訳 高騰続くマンション価格が"適正"なカラクリ
東洋経済オンライン / 2024年5月21日 12時30分
この錯覚効果は、先ほどの円建てとドル建てのマンション価格のグラフに日米それぞれのGDPデフレーターでインフレ要素を加えることで可視化できます。日本人は15年前から今日まで物価は1.07倍にしか上がっていませんが、アメリカ人は15年で物価は1.41倍も上がっています。
ですからアメリカ人がアメリカ国内と同じように海外でもドル建て感覚で錯覚すると、日本の物価は異様に安くなっているように見えてしまうのです。
実際にアメリカ人から見た東京23区内の新築マンション価格は2024年の82万ドルは別に最高値でも何でもありません。アメリカのインフレによる錯覚効果を加味すれば2021年の87万ドルのほうが高かったし、過去最高だった2011年の92万ドルと比べればいまはむしろ値下がりしているように錯覚するのです。
このように23区内でも希少性のある(だから供給が少ない)再開発のタワーマンションが、土地価格のバブルではなく建築資材など意味のあるインフレで高くなっただけで、しかもそれが外国人投資家から見てそれほど高くは見えないという状況であれば、今の東京のマンション価格は別に天井だとか、不合理に高い価格だとは言えないのです。
とはいえバブル経済のさなかに、同じような経済評論家の「不動産価格はこれからもっと上がるよ」という話を真に受けた方は、私のこの分析についても気を付けたほうがいいかもしれません。新築マンションを買うのは一生一度の投資ですから、できれば住宅ローンは年収の7倍以内にされることをお勧めします。
鈴木 貴博:経済評論家、百年コンサルティング代表
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