新型「ラングラー」予想外の値下げをした意図 Z世代へのアピールとシェア拡大を狙った戦略
東洋経済オンライン / 2024年5月22日 11時50分
安全性能の面でも、新型はより進化している。これもラングラー初となるサイドカーテンエアバッグをフロントおよびリアに採用。従来のデュアルエアバッグとサイドエアバッグと連携することで、事故など万一の際に、フロントからリアシートまで広範囲をカバー。可能な限り乗員を保護する工夫が施されている。さらに、ウインドウには、コーニングゴリラガラスも新採用する。これは、スマートフォンにも採用されるという強化ガラスだ。オフロード走行も重視するモデルだけに、新型ではウインドウの強度なども考慮した改良が施されている。
加えて、センターモニターには、12.3インチ タッチスクリーンも全グレードに標準装備。従来モデルが8.4インチタイプだったから、かなり大型化された印象だ。さらに、モニターには、独自のインフォテイメントシステム、最新の第5世代「Uconnect5」システムも搭載。アップルカープレイやアンドロイドオートに対応することで、スマートフォンとセンターモニターを連携することが可能で、音楽や地図など、さまざまなアプリを大型画面に表示し、使用することができる。
価格を下げた理由とは?
新型ラングラーは、比較的リーズナブルなエントリーモデルを追加し、従来あるグレードの価格を下げたこともトピック。新型モデル各グレードの価格(税込み)は、以下のとおりだ。
・アンリミテッド スポーツ:799万円
・アンリミテッド サハラ:839万円
・アンリミテッド ルビコン:889万円
従来、エントリーモデルの位置付けだったアンリミテッド サハラの先代モデルは、価格(税込み)870万円。新設定のアンリミテッド スポーツは71万円も安い設定だ。また、新型のアンリミテッド サハラも先代比で31万円下がっている。また、アンリミテッド ルビコンも、先代モデルの価格(税込み)は905万円だったから、新型は16万円ほど安くなった。
しかも、ステランティス ジャパンによれば、アンリミテッド サハラやアンリミテッド ルビコンの新型モデルは、サイドカーテンエアバッグや新型の12.3インチモニターなど、より充実した装備の価値と値下げぶんを合計すれば、それぞれ約70万円もリーズナブルな価格設定にしているという。円安が続く昨今、輸入車であるにもかかわらず、価格を下げたというのは驚きだ。ステランティス ジャパンのこうした価格戦略は、近年、国内で需要が伸びるラングラーの新車販売台数を、さらに引き上げることが目的のようだ。
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