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新型「ラングラー」予想外の値下げをした意図 Z世代へのアピールとシェア拡大を狙った戦略

東洋経済オンライン / 2024年5月22日 11時50分

同社によれば、近年は、輸入車でもSUVの人気は高く、新車販売台数は全体の約50%を占めるという。なかでも、2018年に日本へ導入した4代目ラングラーの国内累計販売台数は、2023年末時点で2万5000台以上。これまでのシリーズで最多の新車販売台数を記録するほど需要が伸びているという。とくに、ここ数年はかなり好調。JAIA(日本自動車輸入組合)のデータによれば、ラングラーの新車販売台数は、2020年に5756台、2021年には6930台を記録。2022年では3814台とやや落ち込んだが、2023年には4078台まで回復し、順調な伸びをみせているという。

こうした背景からステランティス ジャパンでは、新型モデルをリリースするタイミングで、前述のように、ラングラーのシェア拡充を目指しているのだ。とくに価格を下げることで、これも先述のとおり、同モデルの購入層で増えているZ世代などにアピールしたいと考えているという。従来モデルでも、購入者の平均年齢は43歳と比較的若いことも、こうした戦略を後押しする。同社の値下げ戦略に対し、市場がどのような反応を示すかが今後注目だ。

なお、ステランティス ジャパンでは、新型ラングラーの発表を記念した2タイプの特別限定車も用意。アンリミテッド ルビコンをベースに、ビビッドな黄色のボディカラーを採用した「アンリミテッド ルビコン ハイ ベロシティ(Unlimited Rubicon High Velocity)」を限定10台、税込み899万円で発売。また、アンリミテッド サハラをベースに、ジープの誕生年である「1941」のロゴ入りテールゲートデカールなどの特別装備を施した「アンリミテッド サハラ ローンチエディション」も用意。こちらは、300台限定で、価格(税込み)は849万円だ。

ガソリン車は最後か?

ちなみに、ガソリン車のラングラーを新車で購入できるのは、このモデルが最後になるかもしれない。それは、ジープ・ブランドを手掛ける本家のステランティスが、「2025年末までに、北米におけるジープ・ブランドの全ラインナップを電動化する予定」と発表したからだ。また、「2030年までに米国のジープ・ブランド販売の50%、欧州では100%をBEV(バッテリーEV)にする」といった計画も公表。そうなると国内販売されるラングラーも、近い将来、BEVやPHEVなど電動化モデルしか選べなくなる可能性はある。

ただし、最近、欧米などではBEVモデルの販売低迷などにより、EVシフトの見直しなどの動きもある。そのため、実際にラングラーが、ステランティスの発表どおり、次期モデルでBEVなどになるのかはわからない。ラングラーには、すでにPHEVモデルの「ルビコン 4xe」もあり、国内にも導入されている。こちらのモデルは、今回施されたようなマイナーチェンジはないが、ひょっとすると、次の完全フルモデルチェンジのタイミングで、主力モデル、またはBEVモデルと併売となる可能性はありそうだ。ともあれ、混迷するEVシフトのなか、こうした輸入SUVにも、今後どのようなモデルが出てくるのかも注目だ。

平塚 直樹:ライター&エディター

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