大谷選手Instaで話題の「南部鉄器」9代目の挑戦 「ものづくりのバトン」を次の時代に渡すために
東洋経済オンライン / 2024年5月22日 12時30分
メジャーリーグのドジャースで活躍を続ける大谷翔平選手のInstagramで紹介され、世界から注目を集めるのが、大谷選手の地元・岩手県で生産される南部鉄瓶だ。
【写真】“ドジャーブルー”だと話題になったが、実は以前から商品化されていた鉄瓶。大谷選手の投稿で、注文が殺到している。
長い歴史を持つ工芸品である南部鉄器は、鍋やフライパンなど多種多様で、中でも鉄瓶は南部鉄器を代表するアイテム。
最近ではアスリートやモデルが、南部鉄器の鉄瓶を使い、白湯(さゆ)を飲んでいる様子がSNSやテレビ番組で紹介されるたびブームを繰り返してきた。
冬の時代を経て、じわじわと盛り上がりつつあった鉄瓶人気は、“だめ押し”の大谷効果で勢いを増している。そこには、先祖からの伝統を守りながら現代的な手法でファンを増やす伝統工芸の担い手がいる。
受注殺到で納期は1年待ち
大谷選手が5月9日、Instagramのストーリーズに「ありがとうございます」の文字とともに、深い青色の鉄瓶とふたつの湯飲み茶碗の写真を投稿。
すると、写り込んだ商品タグを手がかかりに、フォロワーたちがこの鉄瓶が大谷選手の地元・岩手県奥州市の南部鉄器の工房「及富(おいとみ)」で作られた製品だと突き止めて投稿し、X(旧Twitter)などで話題になった。
「及富」は江戸時代後期1848年創業。9代目で同社アートディレクターの菊地海人さんは、職人としての技術を磨きながら、ECサイトの運営や広報を担当してきた。
大谷選手の投稿は知り合いからのLINEで知ったという。「最初は、まさか!ありえないというのが正直な感想でした」と衝撃を振り返る。
Instagramで紹介されたのは「みやび」と名付けられた1リットルの鉄瓶。同社で30年ほど前から制作しており、黒と青の2色展開で国内外に販売されている。
SNS上では、鉄瓶の色合いが「ドジャーブルー」に似ていると話題になったが、もともとある定番商品のひとつ。
鉄瓶の贈り主が誰かは分からないが、八角形で末広がりのフォルムから、縁起が良いギフトとして以前から人気があるという。
菊地さんは自身のXに「大谷選手のストーリーズで及富さんの鉄瓶がのってるよとメディアから電話が次々と」「ただただ驚いていますし、光栄なことです。大谷選手の地元であるここ奥州市から日々応援しているのでとても嬉しいです」と投稿。
すると同社には問い合わせや注文の電話、メディアの取材が相次ぎ、あっという間にECサイトの在庫は売り切れた。
この記事に関連するニュース
-
「りんご」の鉄瓶が伝統工芸の世界にもたらす新風 大学やスタートアップと連携しAI活用も模索
東洋経済オンライン / 2024年6月14日 12時0分
-
大谷翔平、ロバーツ監督への誕生日プレゼントは「ウイスキーとチョコ」 妻・真美子さんのアイデアだった
J-CASTニュース / 2024年6月3日 14時17分
-
岩手「大谷の鉄瓶」に注文殺到 インスタで紹介、1年待ち
共同通信 / 2024年5月26日 16時49分
-
消失危機!「輪島塗」は復活できるのか【後編】 「街はまるで時が止まっている…」現地を取材
東洋経済オンライン / 2024年5月26日 8時1分
-
大谷翔平のライバルとなるか!?地元・奥州市に謎の〝二刀流〟ゆるキャラが誕生 吉田戦車デザイン
東スポWEB / 2024年5月17日 17時30分
ランキング
-
1中国の過剰生産「有害」=雇用保護へAI行動計画―G7首脳声明
時事通信 / 2024年6月15日 16時44分
-
2アップルにEUが制裁金、世界売上高10%の可能性…デジタル市場法違反に初認定か
読売新聞 / 2024年6月15日 15時19分
-
3バーガー店打撃…日銀「国債買い入れ減額」で “歴史的円安”に歯止め?
日テレNEWS NNN / 2024年6月15日 13時57分
-
4「阿武隈急行」の赤字穴埋めする2県5市町の補助金、宮城・柴田町が2358万円の支払い拒否
読売新聞 / 2024年6月15日 20時24分
-
5年金18万円・68歳夫を亡くした67歳の元・共働き妻、「遺族年金額」に強烈な怒り「あまりに理不尽では」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月16日 7時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください