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ホテルメッツ、宿泊者も気づかぬ「超地道な改善」 快適を極める「引き算」の妙、3つの点から探る

東洋経済オンライン / 2024年5月23日 7時20分

客室を少しでも広くするため、全室が出窓になっている『JR東日本ホテルメッツ東京ベイ新木場』のユニークな外観(写真:ホテルメッツ提供)

男性はもちろん、昨今は女性や外国人観光客など、多くの人が利用しているビジネスホテル。各ホテルはそれぞれに、代名詞とも言えるサービスや設備を持っている。けれど昨今のホテル選びでは価格ばかりが注目され、提供側がこだわっているポイントにはスポットライトが当たっていないこともしばしばだ。

この連載、「ビジネスホテル、言われてみればよく知らない話」では、各ビジネスホテルの代名詞的なサービス・設備を紹介。さらにその奥にある、経営哲学や歴史、ホスピタリティまでを紐解いていく。第11回は前編に続き、JR東日本ホテルメッツ(以下、ホテルメッツ)の「地道すぎる改善」から、そのブランド理念や経営姿勢を解説する。

「上質が息づく」をスローガンに、我が家のような快適性を第一に掲げるホテルメッツ。同ホテルではその実現のために、日々多くの改革が行われている。ただ、その内容は目に見えづらく、ゲストに気が付かれていないことも……。

【画像】駅チカで知られる「ホテルメッツ」、他にも色んな魅力が…「ホテルメッツ」の外観や客室の様子を見る(15枚) 

今回は、3つの「地道すぎる改善」から、ホテルメッツというホテルブランドの本質に迫る。

当然あるものを「なくした」先の快適

「地道すぎる改善」の1つ目は、ホテルに「あって当たり前」のアイテムをなくしたものだ。

【画像】駅チカで知られる「ホテルメッツ」、他にも色んな魅力が…「ホテルメッツ」の外観や客室の様子を見る(15枚)

たとえば近年建てられたホテルメッツには、クローゼットがない。少しでも客室を広くするためだ。コートや上着を掛けられる場所としては、柱にハンガーバーが用意されている。これなら場所を取らず、圧迫感もない。また、前編でも少し触れたが、客室にアートも置かない。埃が溜まりやすいからだ。

さらに、客室には歯ブラシ、タオルと、バスルーム備え付けのシャンプー、コンディショナー、ボディソープ以外のアメニティもない。ロビーにスキンケア用品、ひげそり、ヘアブラシなどを集めたアメニティステーションがあり、必要なものだけを選んで客室に持っていくスタイルだ。

「私たちが快適な客室を表す言葉に、『不足もなく、余分もない空間』があります。お客様満足のためには、足りなくても、多すぎてもいけない。その発想からアメニティステーションが生まれました」と堀田氏。

このスタイルは結果として、清掃スタッフがアメニティを補充したり、持ち歩かなければならない手間が減り、清掃時間の削減にもつながっている。さらにエコにも貢献する。まさに三方良し、ウィンウィンの好循環を生んでいるのだ。

自動チェックインも導入済み、その想いとは?

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