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戦時に毒ガスを研究「ウサギの島」まさかの実態 戦時中の痕跡があちこちに残っている

東洋経済オンライン / 2024年5月24日 11時30分

毒ガスとウサギの島「大久野島」の実態とは?(筆者撮影)

誰も知らない、誰も行かないヘンな場所をイラストレーター・ルポライターの村田らむさんが軽やかに訪れその理由と魅力を解き明かした見聞録。

登場するのは富士の樹海やドヤ街、廃墟に珍スポット(韓国、北朝鮮、台湾も少しだけ登場!)。潜入取材、危険地帯取材を得意とする著者が、尽きない好奇心と探究心で繰り広げる、怖いもの見たさの物見遊山!

『にっぽんダークサイド見聞録』よりお届けします。

戦時中、地図から消されていた島

インタビュー仕事のために広島に足を運んだ。翌日の夜には大阪で仕事があるため、あまりゆっくりはしてられないのだが、どうしても前から行きたかった大久野島に行くことにした。

【写真】島内最大の毒ガスの貯蔵庫の様子

大久野島は瀬戸内海に浮かぶ1周4キロくらいの小さな島だ。広島県竹原市に属する。

昭和初期から昭和20年までは毒ガスの製造をした島として知られている。戦時中には、地図から消されていた。

現在は、島中にウサギが繁殖しておりウサギの島と呼ばれている。

ウサギにはあまり興味がないが、毒ガス関連の施設には非常に強い関心があった。

広島で仕事が終わったのが、午後13~14時くらい。フェリーが出る忠海までまっすぐ向かって、とりあえず大久野島へ渡ってしまおうかと思ったが、ギリギリ間に合わなかった。忠海駅近くのホテルはすでに埋まっていたので、三駅手前の竹原駅で降車して地域最安値のビジネスホテルに宿泊した。

そして早朝に竹原駅から忠海駅へ移動し、船舶乗り場でチケットを買った。

船舶時刻表によると、始発は7時40分だった。釣り人や、カップルなど7人の客が乗船した。

定刻通り船は出発した。職員が着るピンクのパーカーの背中を見ると「兎人(うさんちゅ)」と書かれていた。

かなりウサギ推しをしているらしい。個人的には「毒人(ぽいずんちゅ)」と書かれたジャンパーが欲しい。毒ガスマスクをつけたウサギの絵も入れて欲しい。

船は15分ほどで大久野島へ到着した。

出迎えてくれたウサギ

ついに毒ガス島に上陸である。さあ、毒ガスの跡地を見るぞ!!と歩き出した。すると足音を聞きつけたのか、遠くからトコトコトコとウサギが走ってきた。

僕の前に来ると、後ろ足で立ってこちらを向いて鼻をヒクヒクさせている。

「え〜ウサギってこんなになついてくるものなの〜? きゃわゆーい」といっぺんに心を持っていかれた。

幼稚園の卒園式でウサギをもらい、小学校1〜2年生の頃まで飼っていたけどこんなになつかなかった。

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