マイクロソフトがAI搭載「Copilot+ PC」投入の意 ライバルは「MacBook Air」、新たに始まるPC競争
東洋経済オンライン / 2024年5月25日 11時40分
マイクロソフトはWindows PCのあり方を大きく変える決断をした。5月20日(アメリカ太平洋時間)、同社の年次開発者会議を翌日に控え、「Copilot+ PC」という新カテゴリーと、それに準拠するPCの発表会を行ったのだ。
【写真】「この間見たはずのあの情報、どんな内容だっけ?」をかなえる、AIを使ってPC上で見た情報を探す「Recall(回顧)」機能
マイクロソフトが「再設計されたWindows 11(Rearchitected Windows 11)」と呼ぶほど大きな変化を伴う。従来のPCのほとんどでは動かず、新しいPCの購入も必要となる。
新しいPCカテゴリーを導入する理由は、「AIを使ってPCをもっと使いやすくする」ことだ。別の言い方をすれば、スマートフォンで起きようとしているトレンドがPCでも起きようとしている、とも言える。
マイクロソフトはPCでなにをしようとしているのかを解説してみたい。
PC上のAIが「物忘れ防止」の切り札に?
Copilot+ PCは、簡単に言えば「AIを搭載したPC」である。
まずどんなことが可能になるかを紹介しよう。もっともわかりやすいのが「Recall」、日本語版では「回顧」と呼ばれるものだ。
PCを使っている最中、「この間見たはずのあの情報、どんな内容だっけ?」と考えることはないだろうか。
Recallはこういう状況をカバーするためのもの。「青い服」「赤い車」のように断片的な情報をCopilot+ PCに投げかけると、過去にPC上で行っていた行動、例えばウェブ検索や文書作成など、そのときの情報を写し出してくれる。検索対象は文字情報だけではない。写っていた写真や描いていた絵など、ビジュアルの一部でも構わない。
要はこの機能、PC上でやっていることを記録して検索可能にすることで、「PC作業中の物忘れ」をカバーするものなのだ。
Recallを実現するために、マイクロソフトは2段階の処理を行う。
まず定期的かつ自動的に、PCの画面を画像として保存する。そして、その内容をAIが解析、含まれる情報を「検索のためのインデックス」として記録する。AIが作った「この時間には画面にこんな内容が表示されていた」という情報をもとに、記憶を甦らせる助けを検索する……という仕組みだ。いままでのファイル検索などとは考え方が大きく異なる。
プライバシー保持のカギとなる「オンデバイスAI」
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