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5浪で悟った「身の程」早大卒の彼が捨てた拘り 苦学の道を余儀なくされ、新聞配達を続ける

東洋経済オンライン / 2024年5月26日 7時20分

新聞奨学生を続けながら、5浪で早稲田に合格したホリ・ホーリーさん。その壮絶な浪人生活とは※写真はイメージです(写真: satoko / PIXTA)

現在、浪人という選択を取る人が20年前の半分になっている。「浪人してでもこういう大学に行きたい!」という人が激減している中で、浪人はどう人を変えるのか。また、浪人したことで何が起きるのか。 自身も9年間にわたる浪人生活を経て早稲田大学の合格を勝ち取った濱井正吾氏が、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張ることができた理由などを追求していきます。

今回は神奈川県藤沢市の私立高校を卒業後、朝日新聞社の新聞奨学生制度を使って、5年間学費を全額負担しながら、予備校に通い、5浪で早稲田大学第2文学部に合格。大学在学中も新聞奨学生を続けた後、新卒で入社した東証プライム上場企業に20年勤めているホリ・ホーリーさん(仮名)にお話を伺いました。

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新聞配達をしながら予備校代を稼いだ

タフで確固たる意志を要求されるイメージのある、新聞奨学生制度。

【写真】新聞配達員をしながら予備校代を稼いだホリ・ホーリーさんの学位記

金銭的に大学に進学することが難しい家庭の「苦学生」が使う印象が強いこの制度を9年間利用して、自分で予備校と大学の学費をすべて払い切ったのが、今回お話を聞いたホリ・ホーリーさん(仮名)です。

「頑固で融通のきかない性格」と語る彼の半生は、この新聞を配達しながら勉強をした日々なしには語れないと言います。

決して貧乏な家庭ではなかった彼が、この制度を使った理由とは。現在新卒で入社した会社に20年間勤務を続けている彼が、5浪の生活、4年間の大学生活を通して続けた新聞奨学生制度で得たものとは。

親との関係から「苦学生の道」を余儀なくされた、壮絶な彼の人生を深掘っていきます。

ホリ・ホーリーさんは神奈川県の藤沢市に生まれ育ちました。両親ともに大学を出ており、父親は会社員、母親は看護師だったようです。教育熱心な家庭だったそうで、小学校までいろんな習いごとをさせてもらっていたと彼は語ります。

「小学校までに水泳、ピアノ、絵画などを習わせてもらいました。勉強面でも小学校5年生から中学受験用の塾に通い、中学受験の勉強をさせられました。

ただ、当時はとても勉強が嫌いで、いつも親の顔色をうかがいながらやっていましたね。学校での成績は真ん中よりちょっと上だったのですが、塾では落ちこぼれでした。小6の後半から少しずつ勉強ができるようになりましたが、私立の中学を2つ受験したものの落ちてしまい、地元の公立中学校に進みました」

勉強をさせようとする親からの圧

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