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新しい浪人「おしゃ浪」海外で難関大目指す新勢力 「おしゃれ浪人」という浪人の新たな選択肢

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 7時30分

留学に行きたいと決めてからの天山さんは、留学に行くために学校の成績を上げ、面接・筆記試験で合格できる水準にたどりつきます。

しかし、高校2年生でこのプログラムの存在を知った彼は、通常は高校1年生で経験する1年間の留学準備期間をこなす必要がありました。それが彼を悩ませる要因になったようです。

「この留学プログラムは高校1年生で入学する人のために、3年間やる前提で作られています。最初の1年で日本に来ている留学生のお世話や国際ボランティアの手伝いをしてから、2年目に1年間留学に行き、帰ってきた3年目の1年を留学に行く子のサポートをしたり、イベントの企画をしたりすることに使うという感じです。そのため、高2からこの制度を利用しようと思った私は、年齢の関係で留学条件に合わない地域が多く、現地で受け入れてくれる国がブラジルとフランスという英語圏外の国だけでした」

さらには、留学も卒業直前の高校3年生の1月からのプログラムしかなかったため、日本に帰ってくる段階で、すでに1浪が確定していた天山さん。

「大学には絶対行こう」と思っていながらも、何も受験のことを知らない状態で無条件に1年進学を遅らせる留学の決断は、彼にとっても、とても勇気のいる選択でした。

「大学進学が遅れることへのためらいは、正直ありました。そう悩んでいるときに父親が『かっこつけのために留学に行くならやめておけ』と言ってくれたんです。でも私は人と違う経験をしたい、将来人と違うことを成し遂げる人間になりたいと思っていたので、その旨を父に話したら、『じゃあ行くしかないだろう』と背中を押してくれました。父親のおかげで、留学する決意ができたのです」

留学中から1カ月後に火事に遭う

こうして彼は、「世界で使用されている言語の中でも、話者が多かったため」という理由でフランスに行くことを決めます。高3の12月までに卒業認定をもらい、1月に日本を飛び立ってから12月末までの約1年、フランスで語学留学をしました。

「ホームステイをしながら、現地の学校に通いました。スケジュールは普通の日本の学校と変わらず、朝8時半くらいに学校がはじまって、16時くらいにステイ先に戻ってくる感じでした。受講した科目は英語、哲学、歴史、経済、数学、サイエンスといった感じです。ただ、授業のフランス語がわからなすぎて、最初のほうはただ座っているだけだったので大変でしたね」

何も手応えがないまま1カ月を過ごした天山さんは、アクシデントにも遭遇します。

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