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新しい浪人「おしゃ浪」海外で難関大目指す新勢力 「おしゃれ浪人」という浪人の新たな選択肢

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 7時30分

「向こうについてから1カ月後、火事に遭ったんです。あれは朝の5時半でした。たまたま前のホスト先がバケーションで家を空けるため、ホストが変わった直後だったので枕が違って寝れずに起きていました。

すると、頭の上から物が崩れ落ちてきたのに気づいたんです。慌ててパスポートと貴重品だけ持って逃げたのですが、それからすぐにベッドが瓦礫で埋まったので、寝ていたら命はなかったですね……。その後、救急車に入れられたり、警察の取り調べを受けたりしたのですが、当時の自分はフランス語を何も聞き取れないし、話せないので全然答えられませんでした」

「PTSD(心的外傷後ストレス障害)になり、朝5時くらいに陽が昇ってから睡眠薬を飲んで寝る生活が続いた」とも語るように、大変な思いをした天山さんでしたが、その困難を乗り越えてからは一生懸命に勉強をしたそうです。

「なんとしてもフランス語と、英語を身につけて帰らなければ来た意味がないと思っていたので、ものすごく勉強しました。自分でも自主的に勉強したのに加えて、現地の友達とホストファミリーとたくさんフランス語で話しました。英語も、アメリカ、ドイツ、イタリアなど各国から集まる同じ教室に通っていた留学生と話すことで、1年の最後のほうは、英語もフランス語もよくわかるようになっていました」

こうして彼は1年の留学生活を終えて、日本に戻ってきました。

早稲田の国際教養学部を目指して『2浪』目

留学の最中に彼は、早稲田大学の国際教養学部に絶対に行きたいと思うようになります。

「ほかの国から来ていた留学生は、みんな自分の1~2歳下の子達でしたが、ものすごく優秀で、トリリンガルが当たり前でした。彼らに刺激を受けて、自分も海外の大学に行こうと思ったのですが、金額的なところで現実的に難しいとも考えました。そこで、英語で勉強できて、留学ももう1回できる、さまざまなことを学べる大学を考えたとき、早稲田の国際教養がとてもいいと思ったのです」

とはいえ、日本に帰るのが12月末なので、一般入試の対策は間に合わないと判断し、断念します。そこで、自身の能力にあった選抜方式を調べていたところ、AO入試に思い当たったそうです。

「帰ってきてからは社会奉仕連合団体のボランティアをする傍ら、朝6時から10時までコンビニで働いて、名古屋の予備校の夏期講習を受けるお金を貯め、空いた時間はずっと毎日夜まで自宅浪人をしていました。

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