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「日本の発酵食品」西洋との比較で決定的な違い 東洋文化圏でカビを利用する発酵食品が多い事情

東洋経済オンライン / 2024年6月1日 18時0分

私は、必要以上に自然環境に負荷をかける必要はないと思いますし、例えば、プラスチックを野生動物が誤飲していることなどは、できるだけなくしていきたいということに異存はありません。

一方で、そもそも気候的に乾燥した国や地域に住まわれている方が提唱する、プラスチックを使わない生活の難易度と、日本のように高温多湿でジメジメしたカビの生えやすい(そして、他の微生物も繁殖しやすい)地域に住んでいる人々にとっての廃プラスチック社会実現の難易度を、同じにして考えるのは無理があると考えています。

今、気候や環境の変動について考えることは避けて通れない社会になっています。微生物は自然環境の根幹です。発酵食品を通じて、自分たちの住む地域の微生物の特性を知って、自分の地域の実情を踏まえた上で、地球規模で考える必要があるでしょう。

世界の発酵食品の分類②用途・原料による分類

次に、発酵食品を「調味料」「アルコール・飲料」「主食」「おかず・副菜」と、用途に分けて考えてみましょう。

例えば、日本の発酵食品をこれらに分けて考えると、

調味料……味噌、醤油、酢、みりん、魚醤類、鰹節 など
アルコール・飲料……日本酒、焼酎、あま酒、発酵茶 など
主食……寿司(酢飯)
おかず・副菜……漬物、納豆、くさや、塩辛、肉の麹漬け など

となります。こうしてみると、日本の発酵食品はさまざまな用途に用いられていることがわかります。

また、例えば味噌や醤油の原型が中国の醤や豉にあったり、清酒や焼酎の原型がアジアから伝わったりするなど、日本の発酵食品とアジアの発酵食品の共通性は高いです。日本でも、「いしる」や、「しょっつる」などの魚醤がありますが、東南アジア地域でもニョクマムやナンプラーなどの魚醤類が有名であることは、すでにお伝えした通りです。

ヨーロッパ地域の発酵食品を用途別に分類すると、次のようになります。

調味料……バルサミコ酢、リンゴ酢、ワインビネガー、バター など
アルコール・飲料……ワイン、ブランデー、ビール、ウイスキー、ウォッカ など
主食……パン など
おかず・副菜……チーズ、ヨーグルト、ピクルス、ザワークラウト など

続けて、発酵食品の原料に着目してみましょう。米や麦や豆などの「穀物」の他、日本のたくあん(大根)、ドイツのザワークラウト(キャベツ)などのような「野菜」、ブドウからできるワインのように「果実」、寿司や魚醤などのような「魚」、チーズやヨーグルトのように「乳」を原料としたものがあります。

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