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新しいことに挑戦、多くの人が間違える始め方 習慣化しようとする人の4割が最初の7日間で挫折

東洋経済オンライン / 2024年6月4日 18時30分

ですから、夢や目標に向かっての行動であっても「新しい変化に抵抗し、いつも通りを維持しよう」とする本能が備わっているのです。たとえば、みなさんの中には次のような経験をした人がいるはずです。

・普段は7時に起きているけれども、早起きで人生が変わる内容の本を読んで「この人、朝5時に起きているんだ。自分も5時起きにしよう!」と思って翌朝から5時に起きようと意気込んだけれども、三日坊主で終わってしまった

・今年こそは、今までの1年とは違う飛躍の年にしようと年の初めに1年の目標を立てたけれども、いつのまにか忘れていた

これらはいずれも、人間を居心地のいいエリアに戻そうとする「コンフォートゾーン」の力が働いています。

コンフォートゾーンは主に心理学の世界で使われる言葉です。コンフォートは英語で「快適な」、ゾーンは「範囲」という意味です。コンフォートゾーンを簡単にいうと、「そのままでいたい」「現状のままがいい」と安心して行動できる範囲のことです。

これは人間が命を守るために備わっている機能です。この機能が働くのは、環境が変化したとしても、人間には常に体内の状態(体温・血液量・血液成分など) を一定に維持できる能力「ホメオスタシス(生体恒常性)」があるからです。

たとえば、気温が50度くらいの砂漠に行ったときに、体温も50度になったら生きていけません。反対に、氷点下の寒冷地に行ったときに、私たちの体温が氷点下になってしまったら大変です。

でも、そうならないように人間は命を守るために体温を一定に保つという機能が備わっています。ですから、コンフォートゾーンから出ると、内側に戻そうとする機能が働きます。そのような強い力は体だけでなく心にも働きます。

コンフォートゾーンは、心理的縄張りとして壁になってくれることもありますが、人が「変わりたい」と思ったときにはブレーキになってしまいます。

変わりたいと思ったとしても、慣れ親しんだ居心地のいい環境(コンフォートゾーン)から動きたくないという機能が発動するからです。

たとえば、朝5時に起きようと思っても、それまでは7時に起きていた状態が快適だったわけですから、1、2日頑張ったところで、自然に身を任せていれば、7時起きに戻ってしまうのです。

このコンフォートゾーンに引き戻す力(ホメオスタシス)が最初の7日には強力に機能するため、習慣化に向けた行動が挫折しがちなのです。

挫折の原因=「実現できる気しかしない!」の低下

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