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美術未経験から3浪「東京藝大」彼女の圧倒的努力 付属校からの内部進学ではなく外部受験目指す

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 7時0分

努力の成果もあり、千葉日本大学第一高校に無事に合格したえずみさんは、この学校に進むことを決めました。

公立高校の受験シーズンよりも早く結果が出たため、入学までの2カ月以上を「ずっと遊んでいた」と振り返るえずみさん。

しかし、その期間に勉強から離れてしまったことも影響したのか、高校入学時の最初のテストでは、学年400人中、398位の成績を取ってしまいます。

「クラスで最下位だったので、めちゃめちゃ落ち込みました……。でも、その結果を見て、『勉強頑張ろう!』とは、ならなかったんです。勉強をしてないから、しょうがないなと思っていましたし、最初に下の成績を取ってしまったので、上位を目指すというよりは、中間層レベルまで戻そうという意識になっていました。それがよくなかったと思います」

コロナ禍で進路と真剣に向き合うように

高校では陸上部のマネジャーをやっていたというえずみさん。頑張って続けていた部活ですが、高校2年生の冬に大きな変化が訪れます。それが新型コロナウイルスの感染拡大でした。

「2月半ばから3月までは休校、それ以降はオンライン授業が続きました。もちろん、部活もなく、対面授業がいつからできるか、最後の大会があるかどうかもわからない状態でした。そのときに、将来どうすればよいのだろうと真剣に考えるようになったのです。

建築やインテリアに興味があったえずみさんは、当初の予定通り、内部進学で日大の理工学部か芸術学部に進むかを、ずっと悩んでいました。

「建築学科に進むためには、理系科目に力を入れる必要があるし、その一方で、芸術学部に入るためには、絵を描く訓練が必要なのではないかと考えたのです。悩みに悩んだ結果、芸術の道に進もうと思いました」

高校でも美術の成績は5段階で「3」だったそうですが、ついていけなくなった理系の勉強よりは、まだいい成績だと思えたようです。

デッサンの勉強をする必要があると考えたえずみさんは、千葉美術予備校に入ることを決断します。

しかし予備校に入学してからの講師との面談で、えずみさんは志望校の変更を提案されたのです。

「『志望校はどこ?』って聞かれて、『日大の芸術学部です!』と答えたのです。すると、『そこに行きたいなら、内部推薦で行けるし予備校はいらないよ!』って言われて。『えーっ、せっかく入ったのに!(笑)』と思ってしまいました。

美術の知識がまったくなくて、美術系の大学を知らなかったので、『どういうところを目指せばいいのか?』を聞いたところ、武蔵野美術大学と多摩美術大学を勧められました。その言葉に流されて、『じゃあそっちを目指します!』と、軽く志望校を決めてしまいました」

ゼロどころかマイナスからのスタート

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