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BMWが誇る「M」を冠するスーパーバイクの実力 雨の「もてぎ」で元GPライダー先導で試乗した

東洋経済オンライン / 2024年6月16日 8時20分

BMWのハイパフォーマンス2輪には「Sシリーズ」もある。Mは、そのSと比べてもすべてのモデルでエンジンの高出力化が図られており、対応する形でブレーキを強化、足回りの設定変更もなされている。

加えて、エンジンの上部前方には「Mウィングレット」という空力パーツが付与されている。F1などの箱型リアウィングをバイクの側方に据え付けたといえばわかりやすいかもしれない。車体の前方を、高速になるほど地面に押し付けることで操縦安定性を高めようという試みだ。

M 1000 XRでは、時速280キロメートルにおいて18.5キログラム、時速160キロメートルでも6.0キログラムのダウンフォースが得られるという。Mウィングレットによって荷重バランスが修正されることで、後輪の負荷が低減されて加速力も実質的に高まるという。

標準型のMシリーズはライト・ホワイトをベースとするMトリコロールに彩られているが、オプションの「Mコンペティション・パッケージ」では、カウルや前後フェンダー、チェーンカバー、タンクカバーなど随所にカーボン製パーツがあしらわれる。ボディカラーもブラックストーム・メタリックに変更され、前後のホイールも1輪あたり1.6キログラム軽いカーボン製になる。

前置きが長くなったが、5月28日、BMWモトラッドが2輪の「M」シリーズにとって日本で初のサーキット報道試乗会を実施した。

「ツインリンクもてぎ」のフルコースを使った試乗セッションは、Mコンペティション・パッケージを備えるM 1000 R/RR/XRを、それぞれ30分ずつ、先導のプロライダーを追いながら走行するというものだ。

「梅雨時にサーキットなんて恐ろしいなあ」と思いつつ、筆者は先代「S 1000 XR」を所有していてその高性能と先進的な電子制御に感服し、Mに強い関心を抱いていたので、蛮勇をふるって報道試乗会にアプライした。蓋を開けてみれば予想通りの大雨。多彩な走行モードもほとんどRAINにしたままだったが、サンデー・ライダーがM 1000の実力に触れるにはむしろ好都合だったかもしれない。

「XR」の圧倒的な安心感

最初に走らせたのは新たに投入されたM 1000 XR。ほかの2台に比べて車体の重心が高い。サーキットではハイスピードの中で常に荷重が変化しており、ライダーのちょっとした操作や体重移動が状況によっては命取りとなるわけだが、M 1000 XRは、多少繊細さに欠ける操作をしても電子制御のダンパーやスロットルがそれを巧妙に補ってくれることを実感した。

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