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あなたの沿線で「交通系ICカード」乗車が消える日 首都圏目線では気付かない「ガラパゴス化」

東洋経済オンライン / 2024年6月18日 12時40分

交通系ICカードに代わって、クレジットカードなどでのタッチ決済乗車が増えてきています(写真:キャプテンフック/PIXTA)

訪日観光客を想定していたクレカ決済乗車だが・・・

駅でSuicaを使って改札を通る際、小さな「窓」が設置されているのに気づくことが増えた。タッチ決済乗車用の読み取りリーダーだ。

【写真】クレジットカードなどを使用した後払い乗車サービスの実証実験の様子

タッチ決済乗車とは、タッチ決済による後払い乗車を指す。タッチ決済に対応するクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードおよびカードを設定したスマホ等のモバイル端末を、読み取り機にタッチして乗車できるサービスだ。

対応ブランドはVisa、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯など。海外ではカードによるタッチ決済乗車は広がっており、最初は海外からの訪日観光客を想定して始まった。

SuicaやPASMOなど日本国内でしか使えない交通系ICカードは訪日観光客にとってなじみが薄く、紙のきっぷを買うため券売機に並ぶ際の混雑も問題だった。手持ちの国際ブランドのカードで乗車できれば、訪日客の利便性は高まる。そのため、タッチ決済乗車の導入当初は、首都圏では京急バス・西武バスの羽田空港ルート、大阪・関西空港につながる南海電鉄、沖縄エアポートシャトルなど、空港からの移動経路や観光地の公共バスでの採用が目立った。

片や、SuicaやPASMOの利用率が高い首都圏では、他人事のように感じたものだった。首都圏では複数鉄道の相互乗り入れや、JRと私鉄・地下鉄の乗り換えを1枚のICカードで済ませている。タッチ決済乗車ではそれに対応できないため、利便性で劣るからだ。

ところが、徐々に変化が起きている。東急電鉄は5月15日から、世田谷線を除く東急線全駅でタッチ決済乗車に対応した改札を設置、後払い乗車サービスの実証実験を開始した。

他にも、東京メトロ、都営地下鉄、京浜急行電鉄、西武鉄道、ゆりかもめ、横浜市営地下鉄、江ノ島電鉄等で、タッチ決済乗車の実証実験の開始あるいは開始予定が続々と発表されている(一部駅のみの場合あり)。

首都圏だけではない。名阪では近畿日本鉄道、名古屋鉄道、阪急電鉄、阪神電車、大阪メトロ等での実証実験が開始予定だ(南海鉄道はすでに対応済み)。Visaによると、同ブランドのタッチ決済乗車は2023年12月現在で28都道府県55プロジェクトと急速に拡大しているという。

やがて来る、交通系ICカードが使えない日

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