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どこまでドッキリ?「全力!脱力タイムズ」の裏側 「渡部復帰」「アンタッチャブル復活劇」はこうして実現した

東洋経済オンライン / 2024年6月21日 15時40分

「『ヤバい。これは番組が終わる』と思いました」(ラリータ氏)

そんなとき、『脱力』を救うひとつのヒット企画が誕生する。タレントの滝沢カレン氏がナレーターとして、美食や絶景を紹介する『THE 美食遺産』『THE 絶景遺産』のコーナーである。

料理人がさばいた鰹を見て「まるで魚らしさはないです」とコメントしてみたり、調理をする店員さんに対して「店員さんに見えない」と言い放ったり。ピザを紹介する回では、材料の小麦粉やイースト菌を「みなさんには紹介できないような粉です」、塩を説明した回では「いい意味で白い粉」。ココナッツミルクの説明では「石こうがらみの液体」と、あまりにも独特なワードチョイスを連発。漢字の読み間違いや、カタカナの特殊なアクセントなどに、現場はもちろん視聴者たちに爆笑を巻き起こした。

「あの企画は寺田さんが考えてくれたのですが、適任のナレーターがいなくて保留にしてました。そんなときに、滝沢カレンさんが面白いという話を聞いたんです。オファーをして一度テストするとこれが面白すぎて、そのまま放送しました。この回のゲストはサンドウィッチマンの伊達(みきお)さんだったのですが、ツッコむのを忘れてゲラゲラ笑っておられて。これはいけると、ワクワクしたのを覚えています」(ラリータ氏)

開始当初の「衝撃映像を見て脱線する」内容から、本来のテーマとは関係のない話題で脱線しまくるコント色を強める形にモデルチェンジしていた『脱力』の世界観は、滝沢氏のヘンテコなナレーションVTRをきっかけに、広く知られるようになっていく。

滝沢氏に負けず劣らず、その本編も当時からかなりぶっ飛んでいた。それはたとえば「AKB48の神セブンを紹介する内容で、横山由依を紹介すると見せかけて、漫画家の横山光輝氏がタバコを吸っている写真を出す」といった具合だ。

物事の視点を思い切りズラした、ときに観る人を「これでいいの?」とヒヤヒヤさせつつも、笑いの渦に引きずり込む。そんな『脱力』の魅力が世間に届き始めると、絶大な支持を集める人気番組へとのぼりつめていった。

芸人ゲストにとって触れてほしくないタブーに平然と切り込んだり、タレントゲストが芸人ゲストのネタをパロディーにするなどなどーー。さまざまな攻めたチャレンジを続けてきたが、中でも、番組が芸人ゲストの発言を絶妙に編集して、別の内容に加工した「捏造インタビュー」は『脱力』らしい“攻めた笑い”の真骨頂といえるかもしれない。

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