東京「どの駅」「どの区」が今後、価値が上がるのか 「昼間人口比率」に見る「住むべきエリア」正解は
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 13時40分
東京都の人口重心(夜間人口)は杉並区のJR中央線の南部にあり、昼間人口重心は、中野区のやはりJR中央線南部あたりにある。
今後都心回帰が進めば、両重心ともゆっくり西に向かい、逆に都心脱出が進めば、ゆっくり東に向かうだろう。
中野区は、隣の新宿区の再開発が限界に近いため、最近は再開発の最前線となっている。
アベノミクス以降、建築価格の高騰もあり、マンション価格は中野区でもつり上がっているが、緩慢な人口重心の特性を考えると、中野区の中央線沿線は、住宅の価値が今後も落ちにくいはずだ。
昼間人口重心が中野の理由は、オフィス集積地の新宿と渋谷区が隣接しているからで、その重心が夜になると杉並区に移るのは、杉並区は南部が23区最大の夜間人口を誇る世田谷区と接している影響がある。
私鉄に後れを取ってきた「JRの宅地開発」
東京の私鉄は南(神奈川)方面に伸びる東急、小田急、京急などが強い。また、東(多摩エリア)に伸びる京王も強い。
一方、千葉と東京をつなぐ私鉄の主力は京成だけで、JR(総武、京葉、常磐など)や地下鉄(東西線など)頼みだ。また、埼玉方面も同じ傾向だ。
したがって、宅地開発が弱かったJRの沿線は、私鉄のそれに後れを取ってきた。
たとえばJR総武線を例にとれば、小岩や市川のほうが都心に近いのに、新宿以西の再開発が盛んで、「逆方向の電車に乗ってしまったのか?」と、勘違いしてしまうほどだ。
なぜ下町は23区の西端にある世田谷区などよりずっと住宅価格が安いのかという理由のひとつがそこにある。
その反動も手伝い、アベノミクスが仕掛けたともいえる開発ラッシュは、JR総武線の小岩駅(江戸川区)において、激しいものになっている。
小岩駅の南側には巨大なビルが建ち、北側には広大なエリアで再開発が行われており、今後は三井不動産などのタワマンが林立するはずだ。
かつて小岩の代わりに開発された隣の新小岩駅周辺など、「新」という名前も古びて見える。
下町の「2つの亀」に大注目
新小岩駅より1つ都心寄りに位置するJR平井駅も、これまで何もないと言われてきたが、駅前にタワマンが建設中だ。
さらに都心寄りの亀戸駅(江東区)周辺にも億ションが乱立し、下町らしさは失われつつある。ここは時計のセイコーグループの城下町だったが、工場用地などが次々と商業開発され、現在はその周辺にタワマンが建設されている。
JR常磐線の亀有駅エリア(葛飾区)でも再開発が進みそうだ。
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