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プーチン訪朝でもロ朝の軍事的重要性は薄い インフラ整備など経済協力も発展・拡大するか未知数

東洋経済オンライン / 2024年6月22日 13時0分

最も見通しが明るい経済協力のやり方は、北朝鮮労働者の受け入れです。ロシアは今、労働力不足が深刻です。数万人規模の労働者を受け入れることができます。それにもかかわらず、客観的な限界を考えると、ロ朝の経済関係がより活発化する可能性は見えないと私は思います。

北朝鮮外交の勝利

――プーチン大統領は北朝鮮に続き、ベトナムを訪問しました。プーチン氏がいま、北東アジア情勢をどのように認識したうえで、今回の外遊を行ったのでしょうか。

2022年にウクライナとの戦争が始まったときから、「ロシアはアメリカに反対するグローバルサウスの先鋒である」と自らを描いてきました。アメリカによる一極覇権に対して不満を感じる多くの国の気持ちを動員して、自国の利益に合わせて利用したいとしています。

そのため、プーチン氏をはじめロシアの指導層はより多くのアジア・アフリカ諸国を訪問し、彼らとの協力を強化しようとしています。ロシアが今後、自分たちの能力不足でそういった希望を実現できなくても、現段階でこのように行動することでロシアが望ましいと考えるイメージは形成できます。

――結局、金総書記にとって、今回のプーチン訪朝はどのような意味があったのでしょうか。

大きな意味があったと思います。2023年末から北朝鮮メディアはロシアに関する報道を増やし始めました。実際に経済的依存度が高い中国に関する報道より数倍の量のロシア報道を行いました。

これは当然、北朝鮮がロシアに対して一種のシグナルを発しているということです。金総書記もプーチン大統領に会おうと平壌空港まで出向いただけでなく、ロシアの航空機の到着時刻が予定より大幅に遅れても、午前3時まで到着を待ちました。これもまた、北朝鮮がロシアに対する期待がどれだけ大きいかを示すものです。

金総書記は当然、ロシアから何かを得たいと思っていました。おそらく、最も重要なロシアからのプレゼントは軍事同盟まで含めた新たな条約でした。また、われわれが現在知ることができないプレゼントが今後、あるのかもしれません。

金総書記はプーチン訪朝が終わったことに満足しているでしょう。これは、北朝鮮外交の勝利です。多くの人が思っているほど大きな成果ではないにしろ、それでも外交の成功事例だったことは確実です。

福田 恵介:東洋経済 解説部コラムニスト

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