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人類が遠い惑星に住むための独創的なアイデア どうすれば人間が居住可能な世界にできるのか

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 15時0分

遠い惑星の環境が生存に適さなかった場合、星間飛行を終えた地球からの移住者たちにはどのような選択肢があるのでしょうか?(写真:一期一会/PIXTA)

民間企業による宇宙飛行が実施されるなど、宇宙はかつてないほど身近になっている。しかし、太陽系を離れた恒星への旅についてはどうだろうか? 私たちはいつか、遠い星まで出かけ、そこに住むことも可能になるのだろうか?
今回、NASAのテクノロジストである物理学者が、光子ロケットや静電セイル、反物質駆動、ワープ航法など、太陽系外の恒星への旅の可能性について本気で考察した『人類は宇宙のどこまで旅できるのか:これからの「遠い恒星への旅」の科学とテクノロジー』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

宇宙旅行の目的地での生活

SFではしばしば、星間旅行の終点での新しい生活が楽観的に描かれる。

【写真を見る】NASAテクノロジストの物理学者が本気で考えた宇宙トラベルガイド

そもそも1960年代、アメリカのテレビドラマ『スター・トレック』シリーズのカーク船長、ミスター・スポック、そしてドクター・マッコイが惑星連邦を救うために冒険するなかで、地球に似た惑星を次々と訪れるのを見て、視聴者は毎週わくわくしたのだ。

この伝統は20年後、ピカード艦長とカウンセラー・トロイに引き継がれ、その後も何シーズンにもわたって継続した。たまには彼らが人間には適さない環境の惑星に出会うこともあったが、それはめったにないことだった。

21世紀に入ってすぐアメリカで放映された『GALACTICA/ギャラクティカ』では人類のコロニー惑星が12個存在し、どれも地球に似た環境で、人間が大勢生活している。彼らはこれらの思いがけなくも地球にそっくりな惑星で繁栄しているのである。

『スター・ウォーズ』は、コルサント、ダゴバ、そして、タトゥイーン(ルークの故郷)の3つの惑星で基本的に同様の設定をした。

SF小説の分野でも、この種の人間に優しい惑星は、やはり頻繁に登場する。アイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズに出てくる銀河帝国もその一例で、帝国に含まれる数百万の惑星に人間が入植しており、帝国の首都があるトランターもその1つだ。

デイヴィッド・ウェーバーの『オナー・ハリントン』シリーズには、人間が居住できる惑星が無数に出てくるが、主なものにはマンティコア、ヘイヴンなどがある。そのような惑星が現実の世界――と言うより、現実の天の川銀河――に存在する可能性は極めて低い。

今日の地球の環境は偶然の賜物

現在天文学と古生物学で知られていることからすると、地球の環境は数十億年にわたる歴史で起こったさまざまな出来事によって生まれたものだが、これらの出来事がどこか別の場所でも起こる可能性は非常に低い。

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