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まもなく上場「タイミー」やって見えた本質的課題 ガチの隙間時間ではできず、微妙に使い勝手に難?

東洋経済オンライン / 2024年6月29日 12時0分

もちろん、こういう問題があっても、タイミー自体は会員数を増やしているのだからいいじゃないか、という声もあると思う。もちろん、基本的に私も、現状に大きな問題があるとは思わない。ただし、タイミーが上場し、これからも成長していかなければならない、となったとき、これらの問題は、結構な足かせになるような気もする。

というのも、現状のシステムだと、「本業がある人が、副業的に、スキマ時間で仕事に取り組む」という働き方が、なかなかに難しいからだ。タイミーのホームページでは、会社員などが夜の2〜3時間や休日で副業的に仕事に取り組んで…なんて事例も紹介されているが、やはりその日の思いつきで働くのは難しく、前からスケジュールを組んでおく必要がある。

でも、会社員にとってそういう計画を組むのは意外と面倒だ(自分もかなり面倒に感じた)。また、自宅が都心から離れている場合、本業の後タイミーで働き、帰宅……はなかなか体力的にも厳しいものがある(あと、そもそも論としてフルタイムで働いたあとに、居酒屋の皿洗いを4時間やるのって普通に無理ですよね?という話でもある)。

私自身は、本業のほとんどが、文章を書いたり、編集をしたりと時間に拘束されない働き方をしているから、まだ時間を見つけて何度かタイミーはできたものの、これがオフィスで日中は働かざるを得ない、となるとなかなか厳しい。

しかも、先ほど書いたように、初心者でトライしようとしても、最初はなかなかちょうどいい仕事を見つけることも難しい。となれば、会社員の人などが後発でこの業界に入ってくることが難しくなってしまうかもしれない。

そうすると、やはり、こうしたサービスを利用するのは、フリーターや学生などが中心になるだろう。実際、彼らの多くがタイミーを用いるようになっているが、とはいえその層だけを相手にしていても、どこかで拡大が頭打ちになることは明らかだ。

さまざまな人の「人生の可能性」を広げられるのか

タイミーの企業としてのミッションは「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことだという。

会社員であっても、リモートワークや副業の選択肢などが広がった現在、このミッションは、きわめて現代に即したものだ。私の周りでも「スポットワークいいよね、自分の人生経験広がるし」と、その理念の部分に共感する人は多い。本業以外にも、働いてみたい、という人は多いのだ。

とはいえ、現状のままだと、やはり本業がある人がタイミーを用いて「人生の可能性」を広げることは、なかなか難しい。この点をいかに改善していくかに、タイミーの今後があるように思う、

ただ、これはあくまで、現状の話。タイミーは積極的に、テクノロジー分野への投資を重ね、「働きたい人」と「働き手を探している人」のマッチング技術を向上させている。今後、案件の数は増えてくるだろうし、都心以外でも働きやすくなっていくだろう。

ここで指摘したような、いくつかの問題点が改善され、タイミー利用者がさらに増えてくれば、こうした状況も変わるかもしれない。

少しずつではあるが、筆者は、こうした「多様な働き方」が実現される未来を期待して、これからも時間を見つけてはタイミーで働き続けてみたいと思う。

谷頭 和希:チェーンストア研究家・ライター

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