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資産運用しない高齢者を待ち受ける悲惨な未来 穏やかで豊かな老後生活を送ることはできるか

東洋経済オンライン / 2024年6月29日 9時30分

ただでさえも、医療サービスや介護サービスが十分に受けられなくなるかもしれない状況の中で、深刻な人材不足などが重なって、高齢者世代は自分たちの資産を使い果たして、貧困に直面する人が多くなるはずだ。

日本は、平均寿命こそ男女ともに世界トップクラスの長寿国だが、いわゆる健康寿命は我々が思っている以上に短い。男性で72.14歳、女性は74.79歳となっている。厚生労働省は2040年までにこの健康寿命をともに3年以上延ばそうとしているが、その実現は不透明だ。

最近、やたらと政府が1日に理想的な飲酒の量を提示したり、肥満や高血圧の弊害を訴えているのもそのためとも言える。とは言え、今や1人の若年層が2人の高齢者を支えるようなイメージが定着しつつあり、高齢世代の自立が問題となっている。

こんな状況の中で、もう一つ問題が増えてしまった。言うまでもなく、世界的なインフレの進行だ。この30年間、日本はデフレ経済だったために、収入がさほど増えなくても何とか生活していくことができた。そのために資産運用という概念がなく、タンス預金に等しい銀行預金に頼った老後生活を送ってきた高齢者が多い。

アメリカや他の先進国では、老後を生きるための重要なスキルとして、資産運用が用いられているのだが、日本では高齢者が資産運用に拒絶感を持つ傾向にある。こんな状況では、自分自身に何か起きたときに対応できないばかりではなく、日々の生活さえも、困窮を極めてしまうかもしれない。

すでに、日本人の多くは急激に進んだ円安のために、海外旅行も自由にできなくなった現実を認識している。円安の進行は、今後も止まる気配がなく、1ドル=163円というラインを超えてしまうと、プラザ合意前の1ドル=250円程度にまで一気に進行してしまうのではないかとさえ言われている。インフレが、今後も継続することは間違いないだろう。

さらに、野菜や肉などの食料品価格も天候不順による不安定な供給状況によって、価格が上昇する傾向が高まっている。高齢者も年金以外の収入を確保しなければならない状況に追い込まれているわけだ。

資産運用しないと年3%インフレで預金の価値は半分に?

そこでクローズアップされているのがNISAなどの制度を使った資産運用のテクニックだ。現在、老後を迎えている人間の多くは、バブル崩壊を経験しており、株式や投資信託への運用で痛い目に遭った人間が多いのも特徴のひとつだが、それでもこれからの時代には、高齢者であっても、資産運用のノウハウを身につけておくことが求められる。

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