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4浪立命館「漆職人」彼の"後悔し続けた"浪人生活 一方で「無駄ではなかった」とも語る彼のいま

東洋経済オンライン / 2024年6月30日 8時0分

それでも前年よりは勉強していたこともあり、早稲田大学も学部によっては合格するかもしれないという感触はつかんでいたそうです。

この年は早稲田の政経・商・教育と、学習院を5学部受験したK.Rさんですが、この中でも早稲田大学の教育学部国語国文学科は、過去問と国語の配点の高さ(※国語の得点が1.5倍換算)を見て、唯一チャンスがありそうだと感じていました。

「『マドンナ古文』で勉強した古文と、地理で点数を稼いで、英語を切り抜ければなんとかなるかなと思い、そこに懸けました。手応えもあったのですが、ギリギリ落ちてしまって……自己採点をしたら、ボーダーに0.5点届きませんでした。でも、その0.5点の間に何百人、何千人もいると思ったので、大して勉強していない自分が落ちたのもある意味当然かなと思いました」

しかし、この不合格にも悔しさは感じなかったそうです。

「もしかしたら、(来年は)いけるかもと思いました」

4浪目の勉強時間は減ってしまった

4浪も宅浪を決断したK.Rさんは、生活リズムを取り戻すために3浪の途中から始めたマクドナルドでのアルバイトを続けながら、勉強を続けます。

ただ、この年はまた1日の勉強時間が2浪目と同じくらいに減ってしまったそうです。

「基本的には早稲田を目指していましたが、最終的にはどこでもいいやという感じで、自分の適性的に行けそうなところを探しました。

試験の1カ月半前から、石井雅勇先生のセンター英語の参考書をひたすらやっただけです。この年の受験は、立命館のセンター利用で産業社会学部、A方式で経済学部に出してどちらも受かりました。早稲田も受けたはずなのですが、立命館に受かったのが嬉しかったからか、もうどこの学部を受けたのかも覚えていません」

こうして「真面目に勉強したのは4年目の最後の1カ月半だけです」と語るK.Rさんの4年の浪人生活は終わり、立命館大学の産業社会学部に進学が決まりました。

立命館に入ったあとのK.Rさんは陶芸部に入ったり、地理が好きだったため地理学の授業を取ったり、3回生で入ったまちづくりのゼミを受けるなどして学びを深めます。その過程で彼は京都の古い街並みに興味を持ち、家賃6万円の物件から家賃2万2000円の古い長屋に引っ越しました。

一方で就活をせずに卒業し、卒業後に慌てて就活をした結果、幅広く木材を加工、販売する銘木屋で働き始めました。

大学入学後、町家関係の仕事に興味抱く

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