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4浪立命館「漆職人」彼の"後悔し続けた"浪人生活 一方で「無駄ではなかった」とも語る彼のいま

東洋経済オンライン / 2024年6月30日 8時0分

でも私はしっかり勉強したという自負がないから、(子どもたちに)そうは言えません。若いほうが吸収が早く、経験を積むことがいちばん重要な仕事をする中で、私はダラダラしていた4年間のせいで、取り残されていると感じています」

ただ、今の仕事を通じて妻とも出会い、中1と小4の2人の子どもの父親でもあるK.Rさんは「今の家族がいるのはその4年のおかげだと思っている」と少しでも浪人を前向きに捉えるように、日々の生活を頑張っているそうです。

私生活では、4年ほど前にブラジル発祥のビーチスポーツであるフレスコボールにはまった彼は、クラブチームを立ち上げ、現在同競技のプレイヤーとしても活躍しています。

「浪人の4年がなかったら今の自分ではまったくないし、家族もいません。その4年があったからこそ、今があると思えるので無駄な経験ではなかったと思います。

このスポーツは1対1(もしくは1対2)で向かい合ってペアで行うラケット競技なのですが、ペアの2人が協力していかにうまく速く強くラリーを続けられるかを、ほかのペアとポイントで競います。敵を打ち負かすのではなく、敵は己にあります。どれだけ練習を積んで自己を高めていくか、相手と呼吸を合わせていけるかの積み重ねです」

生涯浪人だと感じている

「相手との関係性を大切にし築き上げていく、それはまるで人生の縮図のようでもあります。近ごろ、仕事などをしていくうえでも、人との付き合い方において、今の時代の流れに合わせなければならない状況は多々あると感じますが、持っていたい、曲げたくない信念はずっとあります。

スマホによって人間関係が希薄になってきている世の中だからこそ、人と人との関係性を大事にし、人と人とのつながりがいろんなことを生み出す空間を創っていきたいと願っています。自分の思い描く場所にたどり着くにはまだまだ道のりは長く、ずっと追い求めているかもしれません。そういった意味でも今も浪人、生涯浪人。そんな気がします」

今の自分の境遇には決して納得していないものの、変わるための努力を重ねているK.Rさん。その前向きさや利他精神は、間違いなく、浪人の4年が培ったものなのだと思いました。

K.Rさんの浪人生活の教訓:たとえ後悔していることでも、人生において無駄にはなっていない

濱井 正吾:教育系ライター

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