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「ボーナスがやる気を引き出す」と考える人の誤解 「外発的動機付け」が抱える深刻な問題とは

東洋経済オンライン / 2024年7月5日 11時0分

ボーナスは短期的には社員のやる気を引き出すかもしれませんが、内発的動機付けではなく外発的動機付けに基づいた活動は、魅力に欠け、楽しみも薄れるそうです(写真:petapon/PIXTA)

営業成績やボーナスの額、テストの点数、年齢や体重、レーティングや「いいね」の数など、私たちはなんでも計測し、数値化する世界に生きている。
しかし、私たちの脳は数字に無意識に反応してしまうため、数字はあなたを支配し、楽しい活動や経験をつまらないものにし、他人との比較地獄に陥れ、利己的で不幸な人間にしてしまうという。今回、過剰な数値化がもたらしているさまざまな問題を明らかにし、その解決策を示した『数字まみれ:「なんでも数値化」がもたらす残念な人生』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

「自己定量化」に効果はあるのか?

スマートウォッチ、スマートフォン、無数の記録用アプリが手に入る今の世の中では、自己定量化の機会が誰にでもある。

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自分自身に関するデータを記録することが日常的になり、それをテーマにした本とウェブサイトも、アプリも、無数にある。

私たちは、より細く、より健康に、より幸せになるために、より速く走り、より高い実績を上げられるように、自分自身の記録をとって監視するわけだ。

セルフモニタリングによって運動能力を向上させ、脂肪を減らせると考えている人は、アメリカ人全体の40%を超えている。

そこでごく自然に疑問がわいてくる。実際に効果はあるのだろうか? 自分自身についての数字をこうして継続的に監視していれば、ほんとうに、より細く、より健康に、より幸せになれるのだろうか?

研究の結果はまちまちのようだ。スマートウォッチ、歩数計、その他さまざまな健康データの記録が及ぼす効果を調べた(少ししかない)対照研究では、その人の健康と成績に対する有意なプラスの影響が見られたものの、比較的弱いものにすぎない――減量に関しても、また運動の頻度、強度、成績についても、影響は小さいということだ。

フィットビット、アップルウォッチ、その他自分自身の健康や成績を監視できる方法を用いれば、少しだけ速く走れ、少しだけ多く体重を減らし、少しだけ成績が上がる。だが、あくまでも「少し」なのだ。

一方で、人によって比較的大きな個人差がある。一部の人には効果があるが、一部の人には効果がない。また、そうした効果は比較的短期間しか続かず、一時的なものにすぎないという傾向がある。

どうしてそうなるのだろうか?

デューク大学の研究者による興味深い研究

デューク大学の研究者ジョーダン・エトキンは、自己定量化、成績、意欲に関する一連の興味深い研究を行なってきた。

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