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TVマン見た「マジで秘境」チベット仏教の村(後編) 「チベットの聖地」でラマが教える"瞑想"の秘訣

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 12時2分

ナコの村人たちは早起きで、籠を背負った年老いたおばあちゃんや、洗濯物を干す若い娘たちの姿があちこちで見られた(写真:筆者撮影)

世界36カ国を約5年間放浪した体験記『花嫁を探しに、世界一周の旅に出た』が話題を呼んでいるTVディレクター・後藤隆一郎氏。

その後藤氏が旅の途中で訪れた、ヒマラヤ山脈にある辺境の地、チベット仏教の聖地「スピティバレー」で出会った「標高4000mに暮らす人々」の実態をお届けします。

*この記事の1回目:敏腕TVマンが見た!驚いた!「マジで秘境!」チベット仏教の村(前編)
*この記事の2回目:敏腕TVマンが見た!驚いた!「マジで秘境!」チベット仏教の村(中編)

朝日に包まれるナコの村を歩く

翌朝、ナコの村を散策した。朝日が差し込むその村は、清々しく、まるで別世界のようだった。空気は澄み渡り、生活の息吹が感じられる。

【写真で見る】敏腕TVマンが見た!驚いた!「マジで秘境!」ヒマラヤ奥地「中国との国境至近の村」で暮す人の"リアルな生活"とは?

村人たちは早起きし、慌ただしく動き回っている。籠を背負った年老いたおばあちゃんや、洗濯物を干す若い娘たちの姿があちこちで見られた。

しかし、なぜか出会うのは女性ばかりだ。おそらく、男たちは農業や放牧に出ているのだろう。

途中、小学校を見つけた。可愛い子どもたちが校庭で遊んでいる。

「こんにちはー」

子どもたちが、珍しい来客を見つけ駆け寄ってきた。やがて、その数はどんどん膨れ上がり、最終的には20人近くになった。

「一緒に写真撮って」

カナさんと写真を撮るための行列ができた。

まるで大物女優でも来たかのようだ。

残念なことに、俺の周りには誰も寄って来ず、カナさんと写真を撮り終えた数人の少年たちがやって来ただけだ。

「おじさん、人気ないねー」

「お兄さんと写真を撮るかい?」

子どもたちは俺の顔をじっと見て、カナさんの元に戻った。子どもの無垢で純粋な心は残酷さも兼ね備えている。

「おじさん、人気ないねー」

彼女はニヤニヤしながら黒い笑顔を見せた。

「うるせー、そちらは途上国を訪れる藤原紀香みたいだわ」

そう言って、悔しい気持ちを飲み込んだ。

インド国勢調査のデータによると、2011年の時点でナコ村の総人口は572人、識字率は74.12%。男性の識字率は86.61%で女性の識字率は63.1%となっている。

ランチは食堂で「シャクシュカ」を食べた。細かく刻んだ玉ねぎをトマトソースで軽く煮込み、その上に卵を割り落としたイスラエルの家庭料理だ。

本来ならば、チベットの伝統料理を食べるべきなのだが、チベット料理は種類が少なく、スピティに来てからずっと同じ食べ物が続いていたので、少し違うものを食べたくなったのだ。

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