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給与だけではない!外国人社員が離職しない秘訣 公私問わない関係づくりで安定した就労環境を

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時0分

兵庫県尼崎市の福本鉄工所で働くミャンマー人従業員。左から、ナン・メイ・テッ・ピュさん、ソー・ミョー・テッさん、福本豊社長、娘の七重さん、カイン・サベー・モンさん、ジン・ミン・トンさん(写真・西垣充撮影)

「昨(2023)年あたりから、各支店から上がってくる外国人材採用の問い合わせ内容が変わってきている」と尼崎信用金庫国際部部長である鵜川圭太郎さんは話します。

中小企業が多く集積する尼崎市に本店を置く同信金は、阪神間を中心とする40市4町を営業エリアとしており、国際部には支店からクライアント先の相談が集まってきます。

「外国人がすぐに辞めてしまう」

何が変わっているのか。かつては「外国人をどうやって採用したらいいのか」という相談が多かったのですが、「外国人を採用したが、すぐに辞めて転職してしまった。何とかならないか」となってきたというのです。

日本に住んでいるからといって、国籍や生活環境が違う外国の方が日本人のような考えになっているとは考えにくい、外国人として理解したうえで雇用しないと定着が難しいのかもしれません。

とはいえ、どう行動すればいいのか。海外から直接雇用して外国人材の定着に成功している中小企業が、実は同じ尼崎市にあるのです。

1945年創業の福本鉄工所。製鋼を行わない鋼鈑の切断などを行う会社で、従業員は2024年6月現在でパートを含めて18人の会社です。そのうち外国人が4人で、全員がミャンマー人です。

日本人を募集しても集まらず、採用しても3カ月の試用期間内に退職したり、試用期間以上働いてほしくない日本人が来たりと困っていたところ、周辺の企業が外国人を採用し始めているという噂が聞こえてきました。

であれば、どう外国人を採用すればいいのか。同社の福本豊社長は、尼崎信用金庫の営業担当者が来た時に外国人採用について相談したところ、「これからはミャンマー人がいいですよ」との助言を受けたことがきっかけでした。

また、インドネシアから技能実習生を採用していた同業者から、人材の質が以前と変わってきたという話を聞いていたこともあり、外国人採用、とくにミャンマー人に興味を持ちました。

後日、尼崎市の近く・大阪府豊中市の行政書士「ふでもと事務所」の筆本真功さんが、同社を訪問しました。筆本さんはミャンマー人のビザ取得で多くの実績を持つ行政書士です。

オンライン面接で採用を決定

ミャンマーに行かなくて現地とスカイプでつないで志望者と対話できると聞きます。費用もかかりません。当時は2018年とコロナ禍によるオンライン面接が一般化する前でした。

そして、福本社長と妻の欣子(よしこ)さん、長女の七重さんの3人が面接を行いました。候補者はミャンマーの難関工科大学を卒業した男性7人。日本に来たことがないにもかかわらず、ある程度の日本語で会話ができることに驚き、いずれも採用したいと思わせる面接だったそうです。

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