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給与だけではない!外国人社員が離職しない秘訣 公私問わない関係づくりで安定した就労環境を

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時0分

ところが、福本社長が選んだ候補者と、欣子さん、七重さんの2人が採用したいと感じた候補者は真っ二つに分かれたそうです。今、工場で働くジン・ミン・トンさん(通称:ジン君)とソー・ミョー・テッさん(通称:ソー君)の2人は、欣子さんと七重さんが採用したいと思った2人です。

福本社長は「私は、ついつい経験や専門性を重視しがちになっていたのですが、性格や真面目さを重視した家族の視点がよかった。2人の判断を優先してよかった」と笑いながら、当時のことを振り返ります。

2人への内定通知後、日本で働くための手続きに約6カ月かかりました。その間、七重さんを中心にオンラインで定期的に内定者と連絡を取り合い、関係を築いていました。

2019年2月に来日。初めて外国人を受け入れることに不安はありましたが、来日後も気配りを絶やさず関係を太くすることを大切にし、七重さんが毎日の生活や仕事の悩みを手厚くサポートしました。

来日してから半年ほどは、仕事が終わった後に毎日20分ほど「今日は何をした?」「今日は何を学んだ?」「今日何か失敗したことは?」などと日本語で会話する時間を設けていたそうです。

仕事だけでなく、日本語を教えたり、一緒にレストランに行ったり、仕事以外の悩みを聞いてあげたりと、仕事以外の時間もともに過ごし、信頼関係を築いてきました。

「夜遅く、夜11時ぐらいに家のチャイムが鳴ることが時々あるんです。あ、これはジン君かな? いや、ソー君かも?」と。小さな悩み事でも相談してくれる存在になった七重さんの存在は、日本での生活において大きな支えになるだけでなく、本音を聞き出す貴重な機会になっています。

転職が自由な在留資格を持っているが…

来日6年目になる2人の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」と呼ばれるもので、転職は自由です。実は、これまで転職を考えたこともあったようです。

来日して1年が経過した頃、本人たちから七重さんに給料の相談があったようです。自分の給料を他人に伝える外国の人は多く、ミャンマーの方も自分の給料を伝えることはごく普通のことになっています。

七重さんは福本社長に相談して、2人の勤務態度や、すでに会社にとって欠かせない人材になっていたこともあり、少し給料のベースアップを行いました。「本人たちに聞くと、ベースアップしたことによって、給料は知り合いの日本で働くミャンマー人のピン(上)とキリ(下)の、真ん中ぐらいになったようでした」。

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