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「商品にならないから始末」悪徳ブリーダーの手口 法改正後も犬猫を"平気で捨て、殺す"止まらず

東洋経済オンライン / 2024年7月7日 12時30分

商品にならない犬、あるいは商品を産めない犬をゴミのように扱い、捨て、殺す。そんな悪徳ブリーダーの問題を取り上げます(写真:YAMATO/PIXTA)

エサ代がかかるから始末する

先日、埼玉県毛呂山町の81歳の元ブリーダーの男が、動物愛護法違反の疑いで逮捕されました。

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報道によると、男は「繁殖犬はもらい手もいないし、エサ代もかかるので始末するのがブリーダーの責任。だから殺した」と話したそうです。自身の経営する犬の飼育場で、ポメラニアンやトイプードルなど小型犬3匹を、ケージごとビニール袋に入れたうえで袋を密封し、長時間放置して、高体温症を伴う窒息により殺した疑いがもたれています。

この事件を知って「こんなひどいことをする人がいるのか!?」と驚いた人も多いと思いますが、筆者は氷山の一角だと考えています。

発覚していないだけで、商品にならない犬、あるいは商品を産めない犬をゴミのように扱い、捨て、殺すという話をたびたび耳にします。同業者をかばうブリーダーも多く、なかなか実態がつかめないことに憤りを感じています。

悪徳ブリーダーの非道な行い

前述した男のように利益目的の悪徳ブリーダーは、数多く存在しています。いくつかのケースを紹介します。

ケース1:商品にならない子犬は産まれてすぐに殺す

知人のブリーダーは、指がない、脚が曲がっている、片目がない、口蓋裂(こうがいれつ)などの子犬が産まれると、首をひねって殺している。
「商品にならない子犬は一銭にもならず、エサ代や手間がかかるだけ。生み出したブリーダーの責任として殺している」と主張している。犬舎が近く、通報したら自分が真っ先に疑われるので、仕返しが怖くてできない(神奈川県で第1種動物取扱業を営むKさん)

ケース2:病気になった繁殖猫3匹を死ぬまで放置

近所のブリーダーは、がん、急性腎不全、子宮蓄膿(ちくのう)症などの疾患にかかった繁殖猫3匹を、お金がかかるからと治療をしないままケージに閉じ込め、食事も水も与えず、放置した。
見舞いにいくと、死んだ猫を見せられた。その姿はまるでミイラのようで、病気で死んだのか、餓死したのかわからない状態だった(福岡県で第1種動物取扱業を営むMさん)

ケース3:所有する山の中に繁殖引退犬を係留し餓死させる

近所のブリーダーが所有する山の前を通りかかると、普段と様子が違う犬の鳴き声が聞こえるので見にいくと、複数の小型犬がそれぞれ違う木に係留されていた。
既に死んでいる犬もいたためブリーダーに知らせると、「もう役に立たない犬たちなので餓死させている」と言った。見かねて生きている子たちを保護し、体調を整えてから新たな飼い主を探した(山梨県で第1種動物取扱業を営むSさん)

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