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「商品にならないから始末」悪徳ブリーダーの手口 法改正後も犬猫を"平気で捨て、殺す"止まらず

東洋経済オンライン / 2024年7月7日 12時30分

ペットショップに並ぶ子犬や子猫の多くは、オークションから流れています。そして、オークションを利用して犬や猫を販売するブリーダーのなかには、犬や猫の命をただの「商品」としか考えない悪徳ブリーダーが多数存在しています。

利益を得るためにやみくもに大量生産を繰り返し、命を奪ったとしても罪の意識はありません。

そうしたブリーダーのもとでは、子犬や子猫は劣悪な環境で生まれ、幼い頃に親や兄弟姉妹と離され、オークションのために何度も移動を強いられ、全国のペットショップで展示販売されることになります。来る日も来る日も狭いケージの中で人の目にさらされ、挙句の果ては衝動買いした飼い主に捨てられるという悲しいケースも多々あります。

流通過程(ブリーダーが出荷してから飼い主に販売されるまで)の間に年間約2.6万匹が死亡しているとの報道もあり、大量生産と展示販売は多くの問題を抱えています。

健全なブリーダーは、オークションやペットショップに子犬や子猫を卸すことはありません。

心身ともに健康な親から生まれた子犬や子猫は、健全なブリーダーに見守られながら、清潔な環境で親や兄弟姉妹とともに過ごし、社会性を身に付けてから飼い主のもとに直接譲渡されます。譲渡後も、その子犬や子猫の生涯にわたりサポートしていきます。

それは、生み出した命に生涯かかわっていくという深い愛情と責任があるからです。

近年は、健全なブリーダーが軒を連ねていた「紹介サイト」にも悪徳ブリーダーが流入しています。そこから迎えた飼い主とのトラブルも多く発生していて、もはやオークションやペットショップの大量生産と展示販売の問題だけにとどまらない状況になっています。

悪徳ブリーダーがのさばる根本要因は、いくつかの要件はあるものの、誰でも容易にブリーダーを名乗ることができる現在の登録制度にあります。そこでは「繁殖の専門知識」や「命に対する責任や倫理」「動物に対する愛情」などは問われません。

動物の権利や命を守るためには、悪徳ブリーダーを排除する仕組みの構築が必須です。例えば、ブリーダーに免許制度を導入するなど、ふるいにかけてその質を向上させる必要があります。

近隣住民や飼い主の「目」が果たす役割

悪徳ブリーダーの排除には、「近隣住民の目」も大きな役割を果たします。臭いがひどい、鳴き声がすごい、犬や猫に暴行を加えている、死体を遺棄している……など、問題にいち早く気付くことができるのは、近隣住民です。

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