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意外なメリットもたらす上手な「グチのこぼし方」 こぼされる側に必要なのは「ただ聞くこと」だけ

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 11時0分

正しくこぼせば「グチ」にも意外な効能があるという(写真:CHIRO/PIXTA)

多くのストレスにさらされる現代社会では、「グチ」の1つもこぼさずにはいられません。「グチ」にはよいものも悪いものもあり、適度に「グチ」をこぼすことは、ストレス解消や思考の整理にもなります。本稿では、自分の気持ちを整理したり、かえって人から信頼したりしてもらえるような、適切なグチのこぼし方について紹介します。『企業実務』の記事を再構成し、産業カウンセラー・特定社会保険労務士の原祐美子さんが解説します。

自分の「理想」に反する「事実」がグチを生む

大辞林によれば、グチ(愚痴・愚癡)とは、

【図で見る】心理学者A.エリスが提唱した「ABC理論」とグチを生む「思い込み」

① 言ってもしかたがないことを言って嘆くこと


②(仏教用語)三毒の一。物事を正しく認識したり判断したりできないこと。愚かであること。また、そのさま

とされています。

日常用語の「グチ」と仏教用語の「愚痴」は異なるものではあるものの、つい「グチ」をこぼしてしまう前提には、私たちが物事を正しく認識したり判断したりできないという「愚かさ」があるように思われます。

思わずグチをこぼしてしまうときには、必ず何らかのきっかけがあります。

自分の頭のうちにある「理想(価値観や経験等からつくられたもの)」に反する「事実(現実)」が起きている場合に、「不平・不満(いらいらした気持ち)」が生まれます。この気持ちが表出されたものが「グチ」です。

また一方で、実際には起きていなくても、何らかのきっかけから不安を呼び起こして、起きてもいない未来のことで「きっと~になるんだろうな」「ああなったらいやだなあ」などと言ってしまうタイプのグチもあります。

よいグチと悪いグチの分かれ目は「冷静さ」

そしてグチには、よいグチと悪いグチがあります。それを分けるのは、そのグチをこぼしているとき、冷静なのか、それともその物事にとらわれてしまっているのか、という点にあります。

悩みや怒り、不平不満から出るグチにも、冷静に振り返ることによる「気づき」があれば、次の行動を考えることができます。

これは健全なよいグチといえるでしょう。

しかし、グチをこぼしている際に、本人が感情の波にのまれてパニック状態に陥っては何もできません。これは悪いグチです。

まずは、起きてもいない未来に関するグチはやめましょう。自分で不安の波を大きくすれば、起きなかったミスも引き起こし、かえって悪い結果を生みがちです。

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