感情を「制御できない」→「できる」に変える"技術" まずは自然と沸く気持ちを「客観視」すること
東洋経済オンライン / 2024年7月10日 19時0分
この瞬間、あなたは「イライラしている自分」から抜け出して、「イライラした自分を観察している自分」に変化しています。
「あー、この人、イライラしているのね」と自分のことを他人目線で見ている感じです。次第に「ここはちょっと落ち着く必要があるな。ゆっくり考えよう」など、考えや行動をコントロールできるようになります。
このような「考えや行動をモニタリングし、コントロールする」といった心理的なプロセスを、専門的には「メタ認知」と呼びます。メタとは「高い次元」という意味で、上から自分を眺めるイメージ。実際は「心の中の、自分の内面との対話」です。
ひと言さえ書けない日は?
もちろん、「イライラ!」のひと言さえ書けない日もあるでしょう。
あまりにも凹んでいたり、打ちのめされたりした日は、自分の感情と向き合うのさえイヤになってしまうものです。でも安心してください。そんなときでも方法があります。
そんなときには、「感情が書けない」「気持ちと向き合えない」ということを表現した感情マークを描いてください。それで十分です。これも立派な感情ですから。
このように感情を観察する習慣が身につくと、ある程度、どんな状況でも冷静に対処し、自分をコントロールできるようになります。次第にストレスへの耐性もできてくるのです。
行動科学から見て、感情がなぜ大切なのかというと、「人は感情によって動機づけられ、行動すること」がわかっているからです。
たとえば、スポーツをがんばっている人が、苦しくても練習に打ち込めることの背後には、「勝って喜びたい」という感情があったりします。仕事やイベントで、前もって何かを準備をするのは、「何もしないでいては不安」だからだったりします。
私が、毎日「感情マーク」を描くことを勧めているのは、実は「次の行動」へ結びつけるためです。自分を肯定的に見て、さらに行動を磨けるようになるには、湧き上がる「感情」を否定も肯定もせず、あるがままに受け止めることが必要です。
そのために、「感情を観察する」習慣が役に立ちます。
「自分がどんな気持ちなのか」を記入し、なぜそんな感情になったのかを振り返ることが、よりよい行動につながっていくのです。
自分の「認知のクセ」を把握する
何かが起きたとき、感情が湧き上がるのが人間ですが、感情の元になっているのが「認知のクセ」です。認知とは、できごとに対する、自分の考え方や捉え方のことです。たとえば、
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