1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

それでもなぜトランプは熱狂的に支持されるのか 幸福な国は「怪物」を大統領に選んだりしない

東洋経済オンライン / 2024年7月10日 10時30分

統計数字を並べてもピンとこないだろう。ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットという三人の富豪の資産を合計すると、アメリカ国民の下位50%の資産合計額に並ぶといったら、これがまともな国かと思うだろう(ニコラス・D・クリストル、シェリル・ウーダン『絶望死――労働者階級の命を奪う「病」』村田綾子訳、朝日新聞出版、2021年、32頁)。

格差がトランプを生んだ

こうしたすさまじい格差の底辺で、資産のみならず学歴も世襲されて固定化した階層社会ができあがった。

そこをはい上がることのできない低学歴の白人労働者階級の間では、死亡率が上がっている。自殺、薬物中毒、過剰な飲酒に起因する肝疾患を原因とする彼らの死は「絶望死」と名付けられるようになった。他の先進国にはみられない異様な事態だ。「封建社会」どころか、死者まで生み出すのだから、今日のアメリカの資本主義は暴虐な圧政に似た状況を生んでいるともいえる。

そうして「絶望している国(人々)」がトランプを生んだのである。トランプが格差を生んだのではない、格差がトランプを生んだのだ。

会田 弘継:ジャーナリスト・思想史家

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください