消えゆく国鉄気動車「キハ40」まだ乗れる路線 北海道や九州、確実に走っているのはどこ?
東洋経済オンライン / 2024年7月13日 7時0分
ルートは以下の通りだ。
鹿児島中央→(日豊本線)→隼人→(肥薩線)→吉松→(吉都線)→都城→(日豊本線・日南線)→宮崎空港
この際は片道切符(3870円・2日間有効)を購入した。九州にはすべての鉄道の快速・普通列車が乗り放題の「旅名人の九州満喫きっぷ」(3日分1万1000円)があるが、今回は2日間にわたるので、旅名人きっぷを使うより乗車券を買ったほうが1日あたりの金額が安くなる。
南国のキハ40に乗って
3月8日金曜日、午前中の仕事を終え、肥薩線の起点である隼人に向かった。春らしく青空が広がり、車窓から錦江湾に浮かぶ桜島がよく見えた。
14時36発吉松行きは、キハ40形の出力を増強したキハ140形という単行で、銘板には「新潟鉄工所 昭和55年」とあり車体は煤だらけであちこち塗装も剥がれている。南国である九州、同じ形式とはいえ北海道のそれとは違い、ドアと客室の仕切りもなく開放的で、座席の上の網棚に古寂びた冷房装置が取り付けられている。乗客は数名、車内には柔らかい陽が射し込んでいる。
列車は明治36年開業、100年以上経ち登録有形文化財に指定されている嘉例川駅、大隅横川駅を通り、1時間で吉松駅に到着した。近くの保育園の遠足なのか、小さな子どもたちがわらわらとホームで待っていて微笑ましい。
ここで吉都線に乗り換え2つ目の京町温泉で降りて、川内川沿いの宿に泊まった。
翌朝は8時30分発の都城行きに乗車。これを逃すと13時29分となってしまう。客は男子高校生が2人。小林から乗客が多くなる。女子高生の2人組がブラインドを下げる。彼女らにとっていつもの景色に興味はない。その後、都城で日豊本線に乗り換え、宮崎空港から帰途に就いた。
明治の木造駅舎とキハ47
2回目の旅は日南線のキハ40系に乗る。翌週の3月16日(土)、再び鹿児島空港に降り立った。空港からほど近い肥薩線の嘉例川駅に向かう。土日祝日に駅弁が売られており、それも目当てだ。素朴だけれど地元の野菜がふんだんで食べごたえもあり、2年連続で九州駅弁グランプリを受賞している。
駅前の公園で春風に吹かれて箸を進めていると、ときおりうぐいすの声が聴こえてくる。やがてやってきた隼人行きはキハ47形の2両編成であった。
この日は鴨池に宿を取った。鴨池には白波スタジアムも大隅半島に渡るフェリー乗り場もある。試合は先日に続き敗戦。翌朝、垂水に渡る。あいにくの雨ですぐ近くの桜島も見えない。このフェリーはうどんが名物で、乗船時間は45分と短いが客はこぞってうどんを啜る。
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