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消えゆく国鉄気動車「キハ40」まだ乗れる路線 北海道や九州、確実に走っているのはどこ?

東洋経済オンライン / 2024年7月13日 7時0分

車窓の雨粒と開聞岳

15時54分発、鹿児島中央行きはキハ47形の2両編成だ。この車両が鹿児島中央まで行くのは1日3往復のみなので嬉しい。18きっぷシーズンなので乗客も多いかと思ったが、数人しかいない。空いた車内に「混雑時にはリュックサックを前に持つなど、周囲への配慮をお願いします」という自動アナウンスが響く。

頴娃を過ぎると開聞岳が間近に迫る。雨は弱く、窓に水滴が張り付いて、ときおり一粒だけぎこちなく落ちていく。駅に停車すると、ホームにできた小さな水たまりにぽつぽつと雨雫が落ちる。指宿を過ぎると徐々に乗客も増えていく。薄曇りの夕方、並行する道路にヘッドライトの反射。終点に到着する頃には立ち客もいるくらいであった。

鹿児島中央に着いたのは18時42分。19時ちょうど発の鹿児島空港行きの最終バスに乗った。実は列車が少しでも遅れたら間に合わないギリギリのスケジュールであった。

昔を重ね合わせながらキハ40の旅をしたが、どの車両に郷愁を感じるかは、人それぞれの思い出と密接であり、世代によって異なると思う。例えば私は、物心ついたときにはもう走っていなかった蒸気機関車よりも、国鉄型気動車に愛着がある。けれども蒸気機関車が行き交っていた時代の方からすれば、これらの気動車は慣れない新型車両だったはずだ。現在高校生や大学生の方であれば、今の車両に将来懐かしさを見出すだろう。そもそも技術の進歩や取り巻く環境のもと、鉄道システムそのものが進化を続けている。

車両は変わっても眺める景色は変わらない。時代の流れを受け入れて、鉄道の旅を楽しみたい。

八田 裕之:週末旅行家

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