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エバラでも勝てず「宮崎の定番"焼肉たれ"」の正体 宮崎でシェア53.8%「戸村本店の焼肉のたれ」の秘話

東洋経済オンライン / 2024年7月17日 10時0分

エバラでも大きくシェアが取れない宮崎県で、人気の焼肉たれが「戸村本店の焼肉のたれ」。どのようにしてシェアを保ち続けているのか。そこには地方企業のたゆまぬ努力があった(筆者撮影)

夏といえばバーベキュー。肉や野菜と同じく欠かせないのは、おいしい調味料の存在だ。焼肉のたれはそれぞれ好みがあるだろうが、エバラやキッコーマン、叙々苑、牛角などが有名でよく売れている。

【画像19枚】「年400万本売れる」「工場はなんと6代目」 宮崎では2人に1人が購入?エバラでも牙城を崩せない人気焼肉たれ「戸村のたれ」。美味しさの秘密は?

中でも、「黄金の味」シリーズで知られるエバラは、圧倒的な売り上げを誇る。エバラの公式サイトを見ると焼肉のたれは全国シェアの44.5%を占めているという。(出典:インテージSRI+ 焼肉のたれ・すき焼きのたれ・浅漬けの素市場 2023年4月~2024年3月累計販売金額・金額シェア)

宮崎県で圧倒的シェアの「戸村本店の焼肉のたれ」

しかし、そんなエバラでも大きくシェアが取れない地域がある。それが宮崎県だ。

宮崎県で焼肉のたれといえば「戸村本店の焼肉のたれ」が圧倒的シェアナンバーワンを独走し続けている。やや古いデータではあるが、2010年の東京商工リサーチ調べによると、宮崎県での売り上げシェアはなんと53.8%なのだとか。宮崎で焼肉のたれが売れる際、2人に1人以上が「戸村本店の焼肉のたれ」を買っている計算になる。

宮崎での焼肉シーンにはほぼ必ず「戸村本店の焼肉のたれ」が登場するだけでなく、家庭にも年間を通して常備している人が多数でふだんの料理にも使われている。また、鹿児島でもかなり売れており、南九州での人気は根強い。

【画像19枚】宮崎では2人に1人が購入?エバラでも牙城を崩せない人気焼肉たれ「戸村のたれ」。美味しさの秘密は?

この「戸村本店の焼肉のたれ」はいかにして生まれ、宮崎や鹿児島で販路拡大をしてきたのか、そしてなぜ南九州で支持されているのか、製造元である株式会社戸村フーズを訪ねてその理由を探ることに。勤務歴約20年の若松工場長が話を聞かせてくれた。

病院の看護師たちが支持 おいしくて手軽なたれ

―「戸村本店の焼肉のたれ」について教えてください。

醤油をベースに、バナナやリンゴ、ニンニクなどの材料を釜で直火炊きして作っています。

果物のフルーティーさを生かした甘みと、ニンニクのガツンと効いた味わい、直火炊きによる独特のコクと風味が特徴で、味は創業当時から変わっていません。とろみがあり、肉に絡みやすいのも特徴です。

―たれ誕生の経緯は?

創業者の戸村吉守(故人)が、奈良でお肉の修業をした後に、日南市に戻ってきて小さな精肉店を出していました。道路に面した場所でお肉をケースに並べて販売していたのですが、光が当たることで肉の色が変わってしまう。そこで、何かいい方法がないかというところで、一緒にお店をやっていた弟と考案したのが肉をたれに漬け込んで売ることです。

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