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なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方

東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分

デザイン、特にフロントマスクに「シンプルで物足りない」という声があるという

ホンダ「N-BOX」の売れ行きが低迷している。2024年上半期(1~6月)の届け出台数は、月平均1万6780台でランキングとしては1位であったが、対前年比は10.3%のマイナスだった。

【写真】シンプル?物足りない?新型「N-BOX」の内外装

現行(3代目)N-BOXは、2023年10月にフルモデルチェンジした新型車だから、本来なら2024年上半期は前年同期より大幅に増えるはずだ。新型になって売れ行きを落とすのは、異例だといえる。

クルマの一般的な販売推移を見ると、フルモデルチェンジを実施した直後がもっとも多く、時間の経過にともなって減っていく。フルモデルチェンジ直後に低迷すれば、今後はさらに落ち込むだろう。

以前は半導体の供給不足などにより、フルモデルチェンジ直後でも十分に生産できず、納期が遅延して納車できない状況があった。しかし、今はほぼ回復したから、販売不振の原因は商品力だと考えられる。

「物足りない」というユーザーの声

そこで、N-BOXの売れ行きを販売店に尋ねると、以下のように返答された。

「N-BOXの生産は、(2024年)1月に発生した能登半島地震の影響で、短期間ではあるが遅延した。その結果、販売台数が減った事情もあるが、売れ行きには外観の変更も影響している。新型は、先代と比べてフロントマスクなどがシンプルだ。標準ボディはお客様の評判も良いが、カスタムについては『物足りない』『先代のほうが好み』という声も聞かれる」

販売店が指摘する通り、新しいN-BOXは、フロントマスクのデザインが先代型よりもシンプルになった。

標準ボディのユーザーは、シンプルな外観を好むからニーズに合うが、カスタムを求める層は違う。カスタムの魅力はアクの強い存在感だから、これをシンプルにデザインすると、ユーザーのニーズから離れてしまう。

【写真】先代&現行「N-BOX」を詳しく見る(30枚以上)

文字通り“クルマの顔”であるフロントマスクの形状は、クルマの売れ行きに大きな影響を与えるため、その評判が下がると販売不振の原因になる。

ホンダの場合、フロントマスクの失敗はほかの車種にも見られる。たとえば、2015年に発売された先代「ステップワゴン」は、N-BOXカスタムに相当するエアロパーツを装着した「スパーダ」のフロントマスクを穏やかな表情に仕上げた。

このとき開発者は、「エアロ仕様の派手なフロントマスクは、ほかのミニバンが採用している。そこでステップワゴンは、あえて個性を追求した」と説明した。

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