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今のアメリカは「ほぼトラ」ではなく「まじトラ」だ 「トランプトレード」で儲かる銘柄のヒントとは

東洋経済オンライン / 2024年7月20日 9時30分

正式に共和党の大統領候補となったトランプ前大統領。だが今のアメリカは「ほぼトラ」とまでは言い切れない(写真:ブルームバーグ)

円高が進み、ドル円レートが久々に一時1ドル=155円台をつけた。ドナルド・トランプ前大統領がブルームバーグへのインタビューで、「円安と人民元安批判」を展開したことが効いてくれたもようである。

もっともトランプさん、4月23日にドル円が1ドル=154円をつけたときにも「大惨事だ」とドル高を牽制している。そのときには効かなかったトランプ発言が、今回は2円以上も相場を動かした。いかにもマーケットらしい現金な反応といえるのではないだろうか。

相場格言にいわく、「噂で買って現実で売る」。今はトランプさんの片言隻句(せっく)が相場を動かしているが、タイミングが変わるとまったく違う読み筋が出てくることもある。

しばらくは「トランプトレード」の季節に?

例えば「トランプ政権発足で財政赤字拡大」→「アメリカ長期金利上昇」→「日米金利差が再拡大」→「ドル高円安」でも不思議はあるまい。不動産ビジネス出身のトランプさんは、高金利と強いドルが大嫌い。しかるに彼の政策が金利上昇をもたらすことだってあるわけだ。

ましてトランプさんは、輸入品に一律10%を、対中製品には60%の関税を課すとも言っている。このことがアメリカ国内のインフレを再燃させ、同国の連銀が再利上げという筋書きもありうるところだ。

こんなふうに政治に動きがあれば、これを奇貨としてマーケットは動く。しばらくは「トランプトレード」の季節ということになるだろう。

なんとなれば、トランプさんの大統領当選確率は、この半月ほどで急激に上昇した。いつも参照しているアメリカの政治情報サイトRCP(リアル・クリア・ポリティクス)のベッティング・オッズ などから判断すると、現状は6~7割といったところか。もはや「もしトラ」などと呼ぶのは失礼であろう。「もしトラ」は、たぶん当選確率が2~3割のときに使うべき言葉である。

とは言うものの、「ほぼトラ」(8割以上)と口にするのも憚(はばか)られるところだ。過去6回のアメリカ大統領選挙のうち、最も大差がついた2008年選挙においても、当選したバラク・オバマ候補(民主党)と破れたジョン・マッケイン候補(共和党)の票差は、一般投票数にすると6590万票対5950万票とわずか7.2%差にすぎなかった。

アメリカ社会の左右の分断は、それくらい進んでいる。ゆえに2024年選挙も、最後はかならず1桁台の接戦となるとみておくべきであろう。

しかも、ジョー・バイデン大統領は「選挙戦を降りない」とファイティ
ングポーズを続けるも、17日、なんとこのタイミングで新型コロナウイルスに感染してしまった。いやもう、時に利あらずというか、前回の「アメリカ大統領選挙でバイデン氏は撤退するのか」(7月6日配信)でも指摘したとおり、もはや民主党の候補者差し替えは不可避なんじゃないだろうか。11月5日の投票日までには、まだまだ波乱がありうると考えておいたほうがいい。

「まじトラ」で色分けされる「勝ち組」と「負け組」

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