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「三権分立はフィクション」と泉房穂が断じる根拠 そもそも議会は「富裕層」のためのものだった

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 16時0分

三権分立を真に受けているのは日本人だけではないかという(写真:リュウタ/PIXTA)

フランス革命後の議会を引き合いに、そもそも「財界人の財産を守ることが議会の最大の関心事」だったと言い切る前明石市長の泉房穂氏は、民意を反映できる「住民投票」や「国民投票」の重要性を説きます。

政治の世界だけでなく、弁護士として法曹の世界にも通じた泉氏が「三権分立はフィクション」だと断じる制度的・歴史的な根拠とは。

※本稿は、泉氏の著書『さらば! 忖度社会 崖っぷちニッポン改造論』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

教科書で習う「三権分立」はフィクション

日本は民主主義国家で、三権分立の国。三権のうち議会は立法権を担い、有権者から選挙で選ばれた政治家たちが法律を定め、行政監視の役割を果たす。そんなふうに学校の教科書で習ったかもしれません。貴族出身のフランス人思想家モンテスキューが『法の精神』で記したものが、その源流になっています。

司法と立法と行政の均衡による権力の抑制。

しかし、そんなシステムが現実にきちんと機能していると思いますか?

少々乱暴に言いますが、モンテスキューの思想などそもそも噓っぱちです。三権分立がベストなシステムとして機能していると、国民がまともに信じている国は、世界広しといえども日本くらいのものではないでしょうか。

それが噓っぱちだと気づいているからこそ、多くの国の人々は、権力は常に暴走するという危機感とともに、監視役であるメディアの重要性を強く認識しているのだと思います。

イギリスの思想家ロックが唱えたのは「二権分立」でした。彼の論において司法権は分立しておらず、裁判所と行政が一緒になっています。現実も、これに近いのではないでしょうか。

総理大臣が最高裁の裁判官を任命する権利を持っている以上、司法が行政から完全に独立できるわけがありません。最高裁は、当然のことながら時の権力者に「迎合」するしかありません。

裁判所は公明正大な判断を下す、という「勘違い」

私は教育学部卒ですが、若い頃に師と仰いでいた政治家・石井紘基さんから「泉くん、政治家を目指す前に、まずは弁護士になれ。本気で人のために尽くして、世の中のことをもっと深く知りなさい」と言われたことをきっかけに、司法試験を受験、30代の時には明石市で弁護士として働いていました。

司法の世界は狭いので、最高裁の裁判官などにも顔見知りが何人もいます。いわゆる権力におもねるタイプの人たちが多く、ゴマすりが上手な人たちが出世していって最高裁に辿り着く。国にケンカを売るような判決文を書く人は、最高裁には辿り着けません。

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